#1「宿命が、痛み出す」

私にしては珍しく(?)、小説も映画も知ってる作品。じゃなかったら見てないか。今期のTBSは、これ一本に賭けてるようですね。最初の5分見ただけで、その力の入れようがわかります。親子の放浪シーン、夕焼けのシーンなどの景色の美しさは、溜息もの。冒頭のコンサートシーンも、これがチャチくなっちゃうとどうしようもないんですが、意外にも中居君が熱演。手だけのアップは別人でしょうけど、中居君が弾いてるシーンも、結構手元までちゃんと映してましたよね。あれはかなり練習したんじゃないかなあ。でもそれ以外のとこは…。実は私、中居君のドラマってほとんど見たことなかったんですよ。うーん、正直ちょっとツライ。セリフがあまりなくて、「素敵な中居君を鑑賞するドラマ」っぽい作りだったのが、余計つらかった。あの目玉ギョロギョロとか、ハァハァ息づかいとか、まあこれは演出のせいでもあるんだけど、ちと長すぎて「もういいから!」って感じでした。

うーん、あり得ないけども、和賀役は武田真治の方が合ってたような…。あと重要なキー、「ズーズー弁」を喋る役が、なぜに赤井英和。彼が60歳の役って事は、当然回想シーンでたくさん出てくるんだよね。この人、大阪弁しか喋れないイメージなんだけどなあ。ま、でも豪華な脇役も付いてる事だし、キャスティングについては置いとくとしましょう。やはり問題は脚本だよね。まずあの話を現代にどう置き換えるのか?ハンセン氏病という設定は使わない、と発表されているので、それに代わるような「宿命」っていうと…、何かあります?親が殺人犯、なんてのじゃ、三木巡査が親切にしてくれたってのがおかしいし、今の日本でそこまで差別受けるような事ってあるんだろうか。戸籍も原作では戦後のゴタゴタに紛れてって事になってるけど…、あ、でもこれは逆に買えたりはするのかな、現在では。あと警察の捜査方法も、物凄く原始的でのんびりしてるし、和賀のトンデモ殺人法(これはかなりキてる)はどうするんだろう。ヌーボーグループって名前はそのまま使うのか?などなど、かなり困難を極めると思うのですが、大丈夫でしょうか。松雪さんは原作にない役だそうで、初回見た限りでは、全然いらないんだけどな。

てなわけで、丁寧な演出と豪華脇役陣、妥協しないお金の使いっぷりなどはかなり見応えあるのですが、ストーリーの展開が一番心配です。大体あの話を10話に伸ばせるのかなあ。原作を知ってる視聴者は多いだろうから、途中でダレそうな気も。私も今期思いがけずたくさんのドラマ見ちゃってるんで、最終回までお休みしちゃおうかなとか悩み中。とりあえず来週は見ますけどね。あ、一つ気になったのが、テロップがしつこい事。赤井さんと待ち合わせの場面で、「大田区民会館」(でしたっけ)とまで出たのには笑いました。あそこ、テロップ出す意味あったの?それからエンディングのドリカムは合ってないっすねー。「宿命」で良かったのに。

あまりにも景色の絵が綺麗だったので、全部キャプしてみました。絵葉書みたいでしょ?どれも雲の色が凄い!一体どれぐらい掛けて撮影されたんでしょうか。