「69 sixty nine」

試写会に応募しまくったら当たったので、昨日行ってまいりました!残念ながら舞台挨拶はなかったんですけどね。まだ公開まで日もあるので、ネタバレなしで感想など。元々原作ファンの人も多いだろうし、さほどネタバレするようなネタもないんですが。原作知らない方に簡単な内容を紹介すると、1969年の佐世保を舞台に、ベトナム反戦運動や学生紛争…には全く興味がなく、ただひたすら「女の子にモテたい!」一心で、エロ妄想を現実とすべくおバカに暴走する高校生、という話です。村上龍の自伝的小説ということで、妻夫木君がドラゴンかと思うとちょっと萎えますが、ま、それは置いておきましょう。

一言で言うと「エロ、そしてバカ」!95%はシモネタなので、嫌いな人は見に行かないように。かなり笑えるシーン多し!とにかく妻夫木君演ずるケンのキャラクターがいい。お調子者でスケベで妄想癖があって行動力抜群で、常にハイテンション。いやあ、ここまではじけてる妻夫木君は初めてかも。百面相か!っていうぐらい、漫画チックな表情の数々が見物なんですけど、どんなにアホづらしても、これがかわいいんだなあ。そして安藤政信君は、ハンサムでクールだけど訛りが強いというアダマ役。28歳で高校生…と不安だったんですが、舞台が69年でみんなどことなくもっさりしてるし、他の高校生役も老けてるので、私はそれほど気にならなかったです。クールなのにちょっと抜けてるとこがまたいい。この二人といつも行動を共にしてるのが、イワセ役の金井勇太君。彼を「さよなら、クロ」で見て、「この子イケる!」と断言していた私ですが、久しぶりに見た彼のルックスは、ちょっとヤバい方向に…。演技力は申し分ないと思うんですけどね。このイワセも、「オチ担当」って感じでかなり笑わせてもらいました。

私は普段ほとんど映画を見ないので、ほぼ「最近見た映画=妻夫木映画」なんですが、またしても「いつものメンツ」がたくさん登場!どうしてこうキャストがかぶるのか。

金井勇太…「さよなら、クロ
新井浩文…「JUSTICE」「さよなら、クロ」「ジョゼと虎と魚たち
三浦哲郁…「ウォーターボーイズ」「JUSTICE」「さよなら、クロ」「砦なき者
三浦誠己…「きょうのできごと
森下能幸…「ジョゼと虎と魚たち」(ジョゼの近所の変態オヤジ。69でもいい味出してます。)

新井君は「愛嬌のあるヤンキー」やらせたら天下一品ですね。毎回おいしいとこ持ってってくれます。その他のキャストでは、ケンの父親役、柴田恭平がなかなか良かった。この人、大根ていう印象しかなかったんだけど、他の中年男性キャストがコワモテ系が多いので、飄々とした面白いお父さんが印象的でした。マドンナ役の太田莉菜ちゃん(資生堂オードレシピのCMの子)は、やっぱり妻夫木君達とのバランスを考えると、ちと若すぎたかな。よく見ると、意外と顔自体はかわいくなかったりするし…。手足の長さと頭の小ささは素晴らしいですけどねー。その人間離れしたスタイルも、ちょっと69年ぽくはないかな。

これ、脚本クドカンなんですが、見てる最中はクドカンて事すっかり忘れてました。原作付きってのもあるけど、やはり舞台が69年なので、彼の得意の同世代ネタが使えないってのが大きいのかな。あ、もちろん当時の音楽やアイドルの固有名詞なんかはバンバン出てくるんですけど。一つ一つのエピソードはすごく面白いのに、なんだかぶつ切れって感じで、全体的なストーリーの流れとか、起承転結みたいなものがさっぱりなかったのは残念。一番盛り上がるバリケード封鎖の話が真ん中ぐらいで終わっちゃって、その後は再び大きな山場もなく、ちょっとダレるとこもあったかも。うーん、そもそも原作からしてそうなのかなー。もうちょっと編集をうまくやれば、もっとテンポ良くできたんじゃないかなと思うんですけどね。ラストのケミストリーの歌は、見事に合ってなかったです。あれだけ60年代の曲バンバン流したんだから、オープニングのクリームで充分だったのになあ。(このオープニングのアニメがまた、オシャレでなかなか素敵なんですよ)

*二回目の感想はこちら。ネタバレありですので注意。