「赤い疑惑」#1

いきなり王選手の756号ホームランの映像でスタート。「ありがとうあなた」に乗せて、縦書きの荒々しい書体(無意味にデカい!)でテロップが出てきた時には、ガッツポーズ出ちゃいましたね、もう。個人的にこのリメイク、大満足です。何より評価したいのが、現代の設定に置き換えたりせず、昭和52年のままにした事。白血病が不治の病ではなくなったからという事らしいですが、それ以外の部分も、「30年前の話だから」ってエクスキューズがなかったら、到底再現不可能でしょう。オリジナルを知らない若い人、特に石原・藤原ファン辺りは、「過去の名作をリメイク」っていうので、「白い巨塔」みたいなのを想像してたかもしれないけど、これ大映ドラマですよ?あれとは全っ然ベクトル違いますからね。昨日のあのハチャメチャな脚本と演出は、決してふざけてるわけではなく、かなりオリジナルに忠実な結果。私は「疑惑」の記憶はないんですが、去年「衝撃」の再放送見てたのでわかります。「輸血するのにわざわざ裸になる二人」も、「光夫とのデートにかわいい帽子をかぶってくる幸子」も、「家を飛び出して鉄条網で怪我する幸子」も、恐らくそのまんま再現してると思われ。てか基本的に「衝撃」とほとんど同じ展開だわ。病気→恋に落ちる→小康状態→出生の秘密→家出→事故→死の危機→手術→回復→愛を確認→…以下繰り返し…みたいな。

あと良かったのが、もしかして録り直したりしてるのかもしれないけど、劇中音楽をそのまま使ってた事。あれで随分当時の雰囲気が出てましたね。本当はナレーションも、芥川隆行さんにやって欲しかったなあ。宇津井健はおじいちゃん役で出れば良かったのに。音楽とか小道具なんかでカバーしていたけど、やっぱり役者さんは今の人っぽいんだよね。ただ国広トミー一人が、「昭和の大映ドラマ」の雰囲気を醸し出してました。出るって知らなかったから嬉しかったな。陣内さんは内藤さんと逆の方が良くない?アクセント的な出番ならいいけど、あまりに出ずっぱりだったんで、長セリフとかちょっとつらかった。あと高橋恵子が妹ってのも、無理がありすぎかなあ。「17年前に初恋の男の子供を産んだ」って、30代でもいいくらいだと思うのですが。石原さとみちゃんは、顔が百恵ちゃんにちょっと似てるし、体型も雰囲気も昭和っぽいんで、良しとしましょう。あんな暗さを出せる十代の女優なんて、そうそういるわけないし。藤原竜也君は、なんか彼の中での葛藤(何でこんなドラマ出なきゃいけないんだ!この脚本をどう演じればいいんだ!みたいな)というかヤケクソ感みたいなものを凄く感じてしまって、萌えつつもなんかいたたまれないような気にもなり…。多分出演者の中で、一番悩みながら演じてたんじゃないかな。一話は出番少なかったですね。来週以降に期待。

それじゃツッコミポイントなどを。思い出せるとこだけですが。

放射能の管理が杜撰すぎる病院。
・「衝撃」のレビュー書いてる時、「疑惑」を見ていた方から、「百恵ちゃんがコバルト60を踏んじゃって被爆して…」と説明されたのですが、「踏んだってどういうこと?」といまいち理解できずにいて。あれを見て「そういう事か!」と納得しました。
・みんな「コバルト60」連呼しすぎ。これぞ大映ドラマ。
・あと「白血病、つまり血液の癌だ」というのも。白血病がメジャーになったのって、このドラマの影響でしたっけ。
・飛行機の映像だけ古かったっすね。
・幸子の作った蘭のケーキ、むっちゃまずそう。というかグロすぎ。
・ケーキを食べるシーンもなく、おばさまはそのまますぐ帰っちゃったの?その後また沖縄に帰ったんでしょうか。
・「胸にドリルを突き刺すんだぞっ!」
・麻酔しないの?
・自分のせいで事故が起きたのに、全く反省してない相良教授。
・「動物実験会場」みたいなデカデカとした看板が。ありえねえ!
・名前を付けるのが趣味?な光夫。ついでにフランス語も好きなようで。
あめくみちこ(B作夫人)も強烈ですが、オリジナルの原知佐子さんもいいですよー。
・デート中、不良に絡まれる二人(定番)。それはいいんですけど、このシーンの時の藤原君、妙に乳首が立ってませんでした?もう気になってしゃーなかったっすよ。はいどーんどーんどん!シャラポワ
・警察で大暴れのあめくさん。どうもこの人と藤原君の芝居がかみ合ってない気がするんだわ。
・交際を反対され、家を飛び出す幸子。「衝撃」の時もよく家出してたなあ。それで怪我して大変な事になるのも同じパターン。
・「血が止まらない!」しかし血がない!うわ、これってもしかして「RHマイナスAB」の元祖?いくら昔の話とは言え、大学病院にも血がないとは…。
・なぜか上半身裸で、直に繋いで輸血する二人。「衝撃」では友和の骨を削ってあげたんだよね。「彼の体の一部が私の中に!」って、ちょっとエロいですよね。
・「お父さんがあなた達の交際を許さないなら、お母さん離婚するわ。」出た、優しいようでいて極端な母親。
・良くなったから退院とか言っておきながら、急に余命一年と診断される幸子。結構いい加減なんだよね。
・幸子が白血病と聞いて取り乱す爺さん、それでも医者か。
・幸子の為にヨットを買ってやる爺さん、金持ちだなあ。このヨットがつまり、アレなのね?
・一番の衝撃シーンはラストにやってきた!!何なんっすかあの歌とギターは!藤原君、弾けないなら音かぶせようや!全然コード合ってないぞ。石原さん、今どきあの音痴っぷりは貴重です!そして陣内さん、あのギターと歌を聴いて泣けるあなた、素晴らしい役者根性です!

たった二時間であれだけ色んな出来事があるとは…。元々すさまじい話なのに、それを思いっきりダイジェストにしてるから、濃いのなんの。不幸の波状攻撃ですね。昨日見逃した方は、土曜日のお昼に再放送があるみたいですよ。是非一緒に突っ込みましょう。来週も楽しみです。

P.S.「赤い衝撃」(再放送)のレビューはこちら。