#5「ギュッと抱いて」

まあ一応話が動き出したっちゃー動き出したんだけどさ。だからって面白くなったかっていうと…なんだよね。みんな何考えてるんだか「わからない」のは相変わらずで。このドラマの登場人物って、みんな嫌な奴、酷い奴ばっかなのよ。別にドラマには善人しか出すな!なんて言わない。そんな完璧な人間なんていないんだし、ダメな奴の方がかえって共感も得られるはず。でもなんか知らんけどこのドラマ、そのダメな部分を「憎めない奴」として描く事にことごとく失敗してて、全部裏目裏目に出てる気がする。英介は期待してた悪キャラだったのに、なんかなあ。別に勢いでやっちゃってもいいのよ。単純に据え膳頂きって、スケベ心だけで寝ちゃってもいいのよ。同棲してた雪絵にあれだけ冷たくできて、衣咲にも色目使うんだし、だったらとことん軽い男で通そうよ。最初は迷惑そうにしてたのに、寝たら好きになっちゃいました、なんていらないって。「実は真面目なんだよね」って言われても、全然行動と合ってないから。

あと相変わらず理一と歩美の不器用っぷりも、ただ「暗くて気の利かない、鈍感な奴」としか見えない。ほんとは「そういうとこがカワイイっ!」とか思わせたいんだろうけど、無理だって。理一が歩美に嘘ついたのも、全く理由がわからなかったしなー。やっぱり歩美から気持ちが離れ始めてるわけ?スッチーとは住む世界が違うから?どの辺でそう判断しろと?で、またお互い何も言わないでウジウジしてて、変なカップル。妻夫木君、今週はまた顔がむくんでたなあ。あとDVDのアレは監督の才能があるというより、子供の扱いが上手いだけのような気が…。

で、さあ。問題の衣咲なんだけど…。深津ちゃん、この台本読んで怒らないのかなあ?なんで何回も他人から「ヒドい顔!」なんて言わせるんだろ。「今日はちゃんと化粧もしてないから」とかの説明もなく、どこが酷いんだか良くわかんなかったし。普通そういう場合、自分で鏡を見て「あーヒドい顔〜!」ってため息つくとかじゃない?若い男の子に、いきなり「ヒドい顔!」なんて言わせるのって、かなり悪意を感じたわ…。そんで英介の前では「かわいそうな私」ぶって、「あー、ぎゅーって誰かに抱きしめてもらいたい!」なんて、ミエミエのわざとらしい独り言。大体「私、結構頑張ってたんだけどな。」なんてセリフは、普段元気にバリバリやってる女が、ここぞという落ち込みの時に使ってこそ効果的なのに、衣咲は毎回毎回自分で言い過ぎじゃない?ここの衣咲、めちゃくちゃかっこ悪くて恥ずかしかった。

思い切り僻み妬み嫉み全開で言わせてもらいますが、衛藤さんの「若くて綺麗な女の子は何をやっても許される」「30過ぎたら後がない」「30のオバサンは図々しくて恥知らず」「でも恋愛に関しては妙に少女趣味」「酒癖が悪い」「部屋が汚い」「男のボディタッチに弱い」「若い女には引け目を感じる」みたいな、30女をバカにしきってる考えが、そこら中ににじみ出てるのよ、このドラマ。別にそう思うのが悪いってんじゃなくて。だったらそういう「若い私バンザイ!」な話を作ればいいのに、30女の気持ちなんてこれっぽっちも考えたことないくせに、無理に「30女に理解あるドラマ」を作ろうとして、本心を隠しきれずに大失敗してないすか?ちょっと言い過ぎ?もちろん脚本家だけじゃなく、そんな人に無理な設定を書かせたプロデューサーが一番悪いんだろうけど。とりあえずキャストの皆さん、特に深津ちゃんが気の毒でしょうがないです。