#3「さよならの光」

ほほーう、なるほど。原作ではあくまでも(推測ですが)二人一緒の方向を見ていたように思えた亮司と雪穂は、ドラマでは「表と裏」というか、一人が浮かべば一人は沈む、という関係なのね。会わなかった7年間、「加害者の娘」として地獄の日々だった雪穂。一方亮司も苦しんではいたけど、雪穂に言わせればまだまだ甘っちょろいわよ、ってなもんなんですね。そして亮司は自分の戸籍を消し、今後は雪穂の「影」として、裏街道で生きる決心をする。来週以降は雪穂がどんどん「表」の世界でのし上がって行き、亮司はひたすらそれをサポートする、という事になるんだね。今までの亮司は、原作と比べてあまりにヘタレだったけど、恐らく来週からは変わって行くんじゃないかなあ(じゃなきゃ話が進まない)。ドMの山田君もよく似合ってたけど、「黒山田」もなかなか楽しみですな。松浦との関係はそのままなのかな。篤郎はキチガイ役やると、実にイキイキとしてるねえ。

で、黒いと言えば雪穂ですよ。先週この二人をあまり同情的に描くのはどうなのか?と言ったけど、かなり悪人になってきましたねー。いやあ、綾瀬はるかちゃん、これはほんとに「清純派からの脱皮」だね。エロ関係だけじゃなく、教会破壊するわキリスト否定するわだし。怒鳴るシーンはただキーキー言ってるだけで、いまいち迫力なかったりするんだけど、笹垣にシラをきりとおすところとか、亮司に「あなたがコケたら、私も終りなんで。」と冷たく言い放ったりするところは、なかなか良かったです。最後のキスシーンなんて、山田君が小さいせいもあるのか、はるかちゃんが覆い被さるようにしてて、ほとんど襲ってるみたいな感じ。そういや予告のベッドシーンも、雪穂が上になってたなあ。走るシーンではおっぱいぶるるんだし、ファンの人はたまらないでしょうね。

まだ三話なのに、来週からもう大学時代になっちゃうんだ。二話三話はかなり駆け足でしたね。田中圭君あれだけなのか…。小出恵介君の出番も思ったより全然少なくて拍子抜けでしたけど、彼は来週も出てくるかな。てか友彦も原作と随分違いますよね。もっと童貞丸出しのウブな少年で、「そこのおねーさん暗いよ!」とからかったり、女のスカートに首突っ込んだりするようなキャラじゃないんだけどなあ。でも原作読んでない人、あの死体処理の辺の話とか、理解できたのかな?あの客はヤクザの妻で心臓の持病があり、夫は友彦の事を薄々勘づいていたんですよね。だから友彦に容疑がかからないよう、亮司が工作したわけだけど。亮司の「中出し」については、原作読んだ時に「どういう事?」って凄く疑問で、昨日の「その日、俺は最後の良心を捨てたんだ。死んだ女の中に。」ってナレーションで、その一つの解答をもらったような気がしましたね。そういう解釈もあるのかと。わかりにくいと言えば、死亡届の件もそうだったかも。こちらは完全にドラマオリジナルでしたよね?息子が戸籍を消そうとしてると知って、蒲団の中で背中を向けたまま、「あんたが船に乗って死んだんだ、って。そういう話でいいんだよね。」って泣く母親は悲しかったな。麻生さんももしかして今回で終わりなのかな。

原作読んだ時に「これをこのままドラマ化するのは難しいだろうなあ」とは思ったんですが、これは予想以上に「別物」ですね。別物というか、原作の真裏というかんじ?敢えて省かれていた部分を、全部脚本家の想像で埋め合わせていくような。原作とは設定を変えてしまうドラマっていうのは多いけれど、こういう形は珍しいんじゃないでしょうか。そういう意味でも、今後の展開が楽しみです。