「疾走」

*一応ネタバレありです。

この映画が公開されたのは、ちょうど私が彰落ちした頃だったでしょうか。NEWSファンの方のブログ等を巡回するようになり、ちらほらと感想も目にしました。で、私の中で、「原作の良さを全く活かせてない映画」「主役が酷い棒読み」というマイナスな印象が残されてしまい、結局今まで観てなかったんですよね。最近会社の同僚(映画は観てない)が、偶然原作本を貸してくれたので、じゃあこの機会に先に映画を観てしまおう、と。映画が先だったせいか、あまり期待せずに観たせいか、思っていたより全然良かったです。その後原作も読んで、確かに表現がかなりマイルドになってるなーとは思いましたけど、映画では終始淡々としたトーンなのが、かえって重苦しさを感じるような作りになってるのかな、と。やっぱネットの感想読んで、映画観た気になっちゃいかんなあ。

それで、問題の(?)手越様の演技なんですが、この棒読みって演出ですよね?だって韓英恵ちゃんも友達役の子もかなりの棒読みだったし、何より手越様の普段の喋りって、めちゃくちゃ芝居がかっててわざとらしいじゃないですか。これ、こういう演技なんじゃないのかなあ。まあほんとに上手い役者だったら、棒読みとは言われないんだろうけど…。で、まあセリフはともかく、表情というか顔が凄く良かった。多分これ、「誰も知らない」の柳楽君ぽいイメージで作りたかったんだと思うけど、彼に匹敵するぐらいの目力を持った、中学生を演じられる少年って事では、この時の手越様というキャスティングは、かなりイイ線行ってたんじゃないかと。順撮りなんだけど、最初に登場するシーンはなんと小学生なんだよね!でも普通に小学生に見える。17歳なのに…。で、映画の最後の方にはすっかり表情が大人っぽくなってて、「撮影期間長かったのかなー」と思ったら、40日(確か)っていうのでまたびっくり。メイキング観ると、素顔は最初と最後でそれほど変わらないんだけどねー。

手越様目的、というか普段の彼を良く知ってて観ると、おとなしいシュウジに違和感があって、「いやいや、手越様はこんな性格じゃないでしょー」とか、「ちょ!トン子の分際で(ごめんなさい)中谷美紀と!!」とか、ついつい思ってしまうんだけど、最後の方にはすっかり「シュウジ」に見えてたな。直後にメイキング見たら、いつもの手越様に逆に違和感あったもん。一応ベッドシーンらしきものもあって、十代のジャニにしては頑張った方なのかな?でも絡みは無理としても、しっかり服を着たままってのは変だったよ…。しかも中だけ脱いで、上着は羽織ってるんだもん。原作読んだら、アカネやエリに対して、シュウジはずっと欲情を抱いてたんですね。映画だと全くそんな風に見えなかったので、いきなり「セックスさせて。」って言ったのが凄く唐突に感じてしまった。でもなかなか萌え、でしたよ。最後のオチもびっくりしました。原作読むと、なるほどって思うんだけどね。

それにしても、共演者はほんとに豪華!こんなメンツの映画に主演できたなんて、凄い事ですよ。中谷美紀良かったなー。痩せすぎなイメージあったけど、チャイナドレスの太ももは、結構ムッチリしててエロかった。韓英恵ちゃんは、ちょっと栗山千明とダブってしまった。ルックスのオーラが凄くて、雰囲気は抜群なんだけど、セリフ喋ると意外と「…ん?」みたいな。ま、それは手越様も一緒なんですけどね。あとねー、エリにおじさん役の田山涼成さんがいたずらする所、あまりにもハマリ役すぎて、本気で気持ち悪かった…。トヨエツの神父も良かったんだけど、なぜだか数回笑いそうになってしまうとこがありました。えーと、いつものごとくうまくまとめられないけど、とりあえず観て良かったです。見渡す限りのたんぼ?にずーっとまっすぐな道が伸びているところとか、干拓地の教会とか、風景が素晴らしくて。シュウジを初めとして、役者さん達の顔も皆良かった。