#1「黒船が来た」
大河を見るのは「元禄僚乱」(飛び飛びでしたが)ぶり。何より目玉は三谷さん脚本て事でしょうが、正直脚本にはそれほど期待はしてなかったです。ここ数年彼の作品で、心から面白いと思ったものがないし、何よりNHKの大河ですから、三谷色は薄くなるだろうし。で、見てみたらやっぱりちょっと中途半端かなあという印象。多分台本読んだらもっと笑えるんでしょうけど、演出でかなりコメディ部分を抑えてしまってるような気がしました。まあ初回だからこんなもんなのかな。「元禄僚乱」のショーケンや鈴木保奈美はトチ狂ってて面白かったので、三谷さんも萎縮せずどんどん持ち味出して欲しい。この脚本家とキャストって時点で、NHKは大河ファンや時代劇ファンより、普段そういうの見ない層をターゲットにしてるってハッキリしてるわけだから、思い切り壊しちゃっていいんじゃないのかな。
で、ドラマ自体は「無難」て感じだったんですが、やっぱりこの豪華キャストは魅力的。それだけで充分惹きつけるものはあります。私は全然詳しくないんで、新選組に対する思い入れとかもないし、特にミスキャストとかも感じなかったなあ。最初に京都のシーンで主要人物を全て紹介してしまうっていうのは良かったですね。いきなり10年前から始まったら、なかなか出番ない人もいるだろうし。キャストについては一人ずつ挙げてったらキリがないので、特に印象に残った人で言うと、
藤堂平助役の中村勘太郎君。ちょっとおどおどしたキャラで面白かった。
それから山南敬助役の堺雅人さん。実は彼を見るの初めてなんですよね。こんなに声が高い人だとは知りませんでした。怪しげな笑顔が不気味でいい!
ぬわんと、白い巨塔だけじゃなく大河にまで出てたよ中村雅俊の息子!(桂小五郎を見張ってた二人組の一人だよ。)ヅラかぶると案外かわいい顔してるじゃない?山本耕史君もしかり、オデコが広すぎる人は、時代劇の方がかっこ良く見えていいかも。
一方まるっきりヅラの似合わない藤原竜也君なんですが、この沖田総司はお茶目でカワイイ!
斉藤一役のオダジョ。刀舐めたりしてちょっと狙いすぎ?
優香がとても綺麗で驚いた。そしてなんと平岩紙ちゃんが出演してる!すげー。
なんせ若者が多いので、坂本竜馬(江口洋介)、桂小五郎(石黒賢)、佐久間象山(石坂浩二)が出てくると安心して見られますね。えぐっちゃんは里見先生の時より、ずっとイキイキとしてていいよ!でも本当は竜馬って、近藤勇より年下なんでしょ?まあその辺は仕方ないか。石黒賢ちゃんもねえ、20代の頃は万年おぼっちゃま役で、こんな悪役ができるようになるとは感慨深いです。私、この人一生前髪上げないのかなって思ってたもん。おでこ出すようになってから、役の幅も広がったんじゃないですかね。関係ないけどスピッツの草野マサムネも、「一生前髪下ろしてるの?男」の一人ですね。
この「香取大明神」、ネタなのか、笑うところなのか、迷ってしまいました。
番宣で見た時に比べて、絶対全身のショットがカットされてた!顔のアップばっかりになってた!どういう配慮だNHK!山本君は中学生ぐらいの頃から、童顔に似合わぬマッチョな体だったんですよね。本人曰く「生まれつき」らしい。
「同じ物を見ても、人によって感じ方は違う。」黒船の祝砲に、抱き合って怯えてる近藤勇と土方歳三、大喜びの坂本竜馬、苦々しく見てる桂小五郎という図をワンショットで見せる、なにやら象徴的なラストシーン。