#21「財前死す」

見事な最終回でした。周りのキャラが濃すぎて財前が目立たなかった時期もありましたが、最後はまさに「主役」でしたね。そして豪華な脇役の皆さんそれぞれが、熱かったり、淡々としてたり、泣いたり、沈黙したり、取り乱したり、諦めたり、それはもう色々なパターンで、バリエーション豊かに泣かせてくれました。ストーリーに絡めながら全員にちゃんと見せ場を作り、不自然にならないようにするのって、大変な事だと思います。「ファイアーボーイズ」なんかと比べると(最後の方全然見てませんが)、その辺りのうまさが雲泥の差なんですよね。あとアウシュビッツとか、又一にもらったライターとか、過去のエピソード使いも効果的でした。まあ、関口弁護士が佐枝子さんに惚れてたていうのだけは、ちょっと余計だったかなと思ったけど…。井上さん、もしかして矢田ちゃんの事嫌いなのかな?ほんっとこの佐枝子だけは、最後まで食えなかったわ。落ち込んでる里見を呼びだして、何かと思えば「私は一人で生きていきます。」って、お前の話なんか誰も聞いてねーよ!鵜飼夫妻まで行っちゃうと、逆にチャーミングだったりするのにねえ。

うーん、ただ開始当時からずっと同じ事言ってるんだけど、結局このドラマ、私には「巧いねえ」と感心するばかりで、一応毎週楽しみには見ていたものの、イマイチこう、グッと入り込む事はできなかったかもなあ。次の日になったらもう忘れちゃってる、みたいな。公式サイトとかも全然見たことないし、他の人の感想もあまり読み回ったりしなかったし。どこか冷めた目で見てた感じでした。まあ視聴率も良かったし、話題にもなってたからね。これがクドカンドラマみたいに視聴率悪かったら、逆に必死になって「面白いから見て!」とか言ってたかもしれないなあ。ドラマはこれしか見てない、て人結構いると思うんだけど、これと同じくらい、いやもっと面白いドラマだってたくさんあるんですよ。是非そういうのも見て欲しいんだけどなあ。

このドラマが「巧い」っていうのは、実はあまり完璧な脚本ではないんですよね。かなりツッコミ所満載なんです。「そんなのありえねえ!」ってのがたくさんあるんです。でもほとんどの人が、そんなの気にならなくなってしまう。それ以上に魅せるパワーがあるんですね。その辺の力業が「巧い」なあと。「エースをねらえ!」みたいな、「さあつっこんで下さい」と自ら宣言しちゃうようなドラマも多いですけど(それはそれで面白いけど)、あくまでも真剣勝負で半年間頑張ったのは、このドラマ氷河期において貴重だと思います。スタッフ・キャストの皆さん、お疲れさまでした。しかし来週の特別編、きのこが主役で最終回の後を描くって、だったらもう最終回伸ばせば良かったじゃん!と思ったら、二時間半もあるんだ?それってきのこ主役部分はオマケ程度で、ほとんど総集編てやつじゃ…。

*後で画像等追加するかも。→今回はなしってことで…すいません。