別冊宝島「宮藤官九郎全仕事」/「おぬしの体からワインが出て来るが良かろう」

クドカン本二冊。まず別冊宝島の方は、一応「全仕事」網羅してます。内容は薄いけど。ほとんどどっかで読んだことあるようなのばっかりなんだよなあ。まあ、こうやってまとまってるものは今までなかったんで、資料として持ってるのはいいかなと。IWGPと木更津とマンハッタンは、各回ごとのレビューあり。ただしネット上でたくさんの素晴らしいレビューを読みまくった私としては、その回の見どころはそんなんじゃないだろ!もっと他に重要なシーンあるだろ!と、結構不満だったりもする。隆太君、塚本君、磯Pのインタビューは、散々他で読みまくったので新鮮味なかったんですが、遊川和彦さんの「クドカンと現代ドラマ論」みたいな談話は、かなり興味深かったです。その中の「当初クドカンに決まっていたGTOの警官役を、『モゴモゴしてるから』と下ろし、代わりに藤木直人を抜擢した。」というのが、この本で一番衝撃的だった。クドカンとふじっきーって!違いすぎ!「彼もイメージとは全然違う芝居だったんですけどね。すでに一回チェンジしてるから、もうそれ以上は変えましょうとは言えなくて(笑)。」あはは…。

そして「おぬし〜」は「TV LIFE」の連載をまとめた第二弾。「夢のカリフォルニア」に出てた頃から、つい最近、「ゼブラーマン」公開ぐらいまでですね。これ、コラム自体よりも、毎回ついてるクドカンと担当編集者さんとのあとがきが、断然面白いです。「この頃はこうだったんだよね〜」みたいなぶっちゃけ話満載で。「ぼくの魔法使い」は、二話まで書きかけたところで一回白紙に戻って、全部書き直しになったらしい。そう言えば最初は、ともさかりえ主演て話が流れてたんだよなあ。当初は夫婦モノでもなかったみたい。あとだんだん有名になって来て、雑誌なんかで好き勝手に色々書かれる事についても、結構愚痴ってます。三谷さんより大分素直な愚痴り方だけどね。確かに私も「小ネタ小ネタ」ってすぐ書いちゃうなあ。ごめんねくんく。「つーか最近の人って『分からない』ことを『面白くない』と混同してねえ?」「ドラマの視聴率が低迷してるんであってドラマ自体が低迷してるんじゃない」「トレンディードラマ全盛期は、一部の本当に面白いドラマが埋もれていた時代」「今は本当に面白いドラマが目立つという意味では、すごく恵まれてる」ういー、同感です。

*最初アップした時、「おぬしの体からワインが出て来るであろう」って、微妙にタイトル間違えてました。すいません。

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