#3「君の涙」

最初は確か、「青春群像劇」って触れ込みだったはずのこのドラマ。実際キャスティングを見るとそういう布陣なのに、どうも北川さん、櫂と沙絵に夢中になりすぎてない?この二人以外はキャラ作りも工夫がないし、動かし方もかなり強引な気が…。櫂が翔平のノートを茜に託したり、沙絵のお母さんがお客さんに後かたづけさせといて寝ちゃったり、結構無理あるよね。そして真帆!出たーっ!北川ドラマのお約束、「落ち込んだ女が、自分に気がある男に慰めてもらう。男は文句ひとつ言わず、とことん優しく尽くしてくれ、『お前は昔から俺達のアイドルだったよ』と自尊心をくすぐる」パターン(長いよ)!!あすなろのキムタクしかり、ロンバケ豊原功補しかり、愛くれの岡田浩暉しかり、BLの的場浩司しかり、ラブストのユースケしかり、…あー、ほんっっっと毎回同じだっ!でも今回違うのは、その「お前女友達いないのかよ?」女が、主役の沙絵ではなく、敵役の真帆ってとこかな。コニタン内心、「こんな役やりたくねーよ!ざけんな北川!」と思ってるだろうなー。


カッシーかっこいいんだけどさ、自分より大分年下の男の子が、こういういかにもな「大人の男」やってると、なんかおかしくなって来ちゃうんだよね…。この辺のやりとり、コントかと思った。


とことん脇キャラの瑛太。今どきラブレター書く若い男っているか?でもかわいいから良し!


茜が翔平の濡れ場と遭遇する確率も、相当なもんですよね。結局アパート行った後、どうなっちゃったの?

…ってついまたつっこんでしまったけど、実は結構ハマってます、このドラマ。北川さんて、ストーリーの辻褄とか全体の構成とかは穴だらけなんだけども、1シーンだけ切り取って見ると、凄くいいのね。セリフがいちいち印象的で、その瞬間瞬間で「ドキドキ」「せつない」「悲しい」って感情移入しやすい。なので「このストーリーがこうだからこう素晴らしい」みたいに理屈で説明はしにくくて、ただ「良かったー!」「泣けたー!」みたいな感想になっちゃうんですよ。だから男性にはイマイチ受けないのかもしれないなあ。少女漫画が楽しめる人なら、OKかもしれないけど。


「お・は・よっ!」すごい笑顔だ!


とにかく柴咲コウがかわいすぎる。このオーケストラの試験に受かって喜んでるところなんて、眩暈がするほどキュートだった。普段ガラが悪いキャラなので、ブリッコしすぎるぐらいでもウザくならない。


本日のウルウルシーンその1。窓越しに手話で悪態つかれて、目を閉じる櫂。
「『さっき言うの忘れた。』俺の悪いところを挙げている、エンドレスに。『危険な香りがない。フェロモンがない。男としての魅力に欠ける。』また始まった、彼女の毒舌。僕はたまに、耳を塞ぐ代わりに目を閉じる。彼女の言葉を聞かない為に。するとそこは真っ暗闇。ふいに僕は、彼女の孤独を知る。」


散々貶しまくった後、立ち去る櫂の背中に、一人手話を続ける沙絵。
「でも私 あなたのこと 好きだよ 好きだよ」


本日のウルウルシーンその2。心配して尋ねてきた櫂を、母親に紹介する沙絵。
「ねえお母さん この人櫂くんて言うの 大学で知り合ったのよ すごく、いい人なの ルックスだって悪くないでしょ? ステキでしょ? でも 私この人の声がわからないの この人の声が聞けないの この人がいくら私に向かって喋っても 声が聞こえないの ねえ、お母さん 私の母親でしょ? だったら娘に教えてよ 聞かせてよ この人、どんな声してるの?」


今まで腫れ物を触るように扱われて来た沙絵を、本気で叱る櫂。ちょっとー、妻夫木君かっこいいんですけどー。情けないキャラもいいけど、こういう男っぽいのには弱い…。
「なんで? 何で私ばっかり こんな目に合うのよ」
「それ、こないだも聞いたよ。一生そうやって、何で私ばっかりこんな目に合うんだって、そう言いながら生きてくつもりかい?君は、わがまますぎるよ。」
「わがまま?」
「そうだよ。真帆だって君のためを思うから、喋ってみたら?とか言うんだよ。怒る君の気持ちもわかるけど、君はいっつも自分の気持ちばっかりだ。相手にだって気持ちはあるし、事情はあるし、悩みもある。生きるのが苦しいのは、君だけじゃない!」


本日のウルウルシーンその3。一度はキレたものの、戻ってきて「さっきはごめんなさい」と謝る沙絵(この素直さが魅力だな)。
「さっきあなた言ったよね 私がこんな風になったのは 誰のせいでもないって だとしたら 神様のメッセージは何? そう 私をこんな風にした 神様のメッセージは何?」
「神様にメッセージはない。ただ不幸がやって来た。でも僕にはプランがある。君を音の闇の中から救う。僕が、君を音の闇の中から救う。」

うおー、すっげえな!!「君を音の闇の中から救う」だよ!!櫂君、「俺はサリバン先生」とか、言ってる事は真帆とあまり変わりなかったりするんだよね。結構思い上がってるし。でもやっぱ、好きな男に言われるのと、その彼女に言われるのでは、全然感じ方は違いますわなあ。このセリフ、「クサくて耐えられない!」という人も絶対いると思うけど、私はギリギリOKでうっとりしちゃいました。妻夫木君だからなのか、それとも演出が良かったのか。

来週はコニタンがキレて、櫂と真帆はジ・エンド?まあ真帆みたいなヒロイン体質の人は、櫂みたいな鈍感な男とつきあっちゃいけないよね。でもカッシーに「年上だからいつもお姉さんしちゃって、甘えられない」とか言ってたけどさ(このセリフ、確かロンバケでもあったな)、私は逆に年下の方が、変に意識せずに甘えられるけどなー。櫂君男っぽいタイプだし、彼女に甘えられたら喜ぶと思うんだけど。まあ甘えるっていうのが、ご飯食べに行っておごってくれるって意味なら、それは根本的に間違ってるぞと。