「69 sixty nine」二回目の感想

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二回目、行って来ました!ネタバレありですので、これから観る人は注意です。ネタバレなしの前回の感想は、こちら。












試写会の時は一応原作は読んだ事あったものの、ほとんど内容を忘れていた状態だったし、事前情報みたいなものもあまり仕入れてなかったんで、ストーリーの流れが良くわからず、エピソードがぶつ切れっていう印象が強かったんですね。で、その後原作を読み直したりして、二回観てようやく納得しました。すいません頭悪くて。

アダマが「何かを強制される集団は醜い」みたいな事を言い、ケンはフェスティバルを開催する事を思いつく→フェスティバルで上映する映画にレディ・ジェーンを出演させて、お近づきになろうとするケン→全共闘グループに8ミリを借りに行ったケン、思いつきでバリケード封鎖すると宣言してしまう→バリ封敢行するも、イワセの失敗で警察にバレる→自宅謹慎→フェスティバル開催

フェスティバルやるって言ってたのに、なぜ唐突にバリ封?ってその辺の流れがいまいちわかりづらかったんだよね。そうか、カメラ借りようとしたのがきっかけだったか。そう考えると色々な事が合点が行って、急に評価が上がる私でした。現金な。というか小難しい事抜きで、普通に一回目より面白かった!初回は妻夫木君チェックに忙しくて、あまり周りに目が行かなかったんだけど、ほんと脇も全部キャラが立ってて、みんな素晴らしいですね。まあ私の場合、映画は大抵二回目の方が面白いと感じるので、単に頭が鈍いだけなのかもしれませんが…。

前回はこの映画を「エロ、そしてバカ」と表現しましたが、もっとストレートに言うと、「チンポとウンコ」。妻夫木君もいきなりしょっぱなから、二回も勃起するわ(あれどうやって撮影したんだろう)、「チンポしゃぶられた」連発するわ、しまいにゃ柴田恭平まで「チンポ」言うてますからね。そしてある意味クライマックスとも言える、「指紋のなか中村」のウンコ噴出シーン。この辺のお下劣ノリについてけない人は、この映画自体ダメなんだろうね…。でも二回とも、大声で笑ってたのは、若い子よりむしろ年輩の人の方が多かったような?おばちゃんはシモネタが好きなんだろうか。

そして試写では「クドカンらしさを感じなかった」と思ったのですが、原作を読み直してみると、村上龍が69年のキーワードとして主に使ってるのは、洋楽ロックやゴダールランボーなんかの洋モノ文化なんだよね。それがこの映画では、11PM奥村チヨ由紀さおり、タイガース、ハニーナイツ、ホームランバーとか、かなりドメスティック。なるほど、このセンスはクドカンだ。しかし彼自身がその時代を経験したわけではないので、「木更津キャッツアイ」における嶋大輔とか堀ちえみとかキャッツアイみたいな思い入れを、最初はあまり感じなかったのかも。単に私が世代が違うからかなあ?リアル龍世代の人達は、ああいう小ネタに悶絶したりするんだろうか。ネットだと若い人しか感想書いてないから、いまいちわかんないや。

やはり最後のフェスティバルシーンがいまいち盛り上がりに欠けるのと、テンポを出そうとして凝ったカメラ割りをしたりしてるのが、ちょっと逆効果なんじゃないかってのが惜しい。でも演出でいいなあと思ったのが、ケンがアダマにフェスティバルの説明をするとこ。平凡パンチのグラビア写真を見せながらかっこいい事言ってるんだけど、カメラはトップレス女性のおっぱいばかりを追ってて、「こいつらは結局これが目的なんだよ!」ってのがわかりやすく、面白かった。あとケンと松井和子のデートシーンも良かったな。深い緑にレディ・ジェーンの紫のワンピースがとても映えて、ここの莉菜ちゃんはほんとに妖精のようでした。「キスしたことある?」なんて見つめあったりするんだけど、それ以上何もないってのも凄く良かった。あそこでキスしたらぶち壊しよね。妻夫木君がどうやっても同級生には見えないのが難点だけど、まあしょうがないか。

試写の時は「タダで良かった〜。これに1800円はちとキツいなあ。」なんて思ってたんだけど、なんだかすっかり気に入っちゃったみたいです。公開されてるうちに、また行くかも。なんと言ってもあのオープニングのアニメとクリームが絶品なんですよ!ほんと鳥肌立っちゃう。あれだけでも見る価値ありかなって。