#11「かたちあるもの」

そっかあ。サクは亜紀の死に目に会えなかったんだ…。ドラマ見る前は、「初恋の人の死を17年引きずるなんて、いくらなんでもしつこい!」と思っていたけど、「僕の彼女は白血病です」なんて書いた嘘のハガキが本当になってしまったり、熱のある亜紀を無人島に連れてって悪化させてしまったり、とどめを刺すように病院を連れ出したり、挙げ句自分も倒れちゃって死に目にも会えなくて、サクが悪いんじゃないんだけど、そりゃ自分を責めちゃうかも。そして17年後の決着の付け方も、良かったと思います。三浦友和が、「まだ生きていたのか。まず人と会ったら挨拶しなさい。」と昔と同じように話しかけた時の、緒方直人のうろたえっぷりがほんと山田君にそっくりで、うわー!って思った。なんかあそこで一気に話が繋がった気がして、その後も違和感なく見られました。最後、智世達の17年後は顔を見せないってのも良かったね。ヘタに老けメイクされても、萎えるだけだし。

山田君は亜紀が発病した辺りから、毎週毎週ほとんど泣いてるシーンばっかりで、さぞかしテンションを保つのが大変だったでしょう。はるかちゃんが割と淡々とした感じで演じてたので、山田君が思いきり濃ゆ〜い芝居しても、ウザくなりすぎなくて良かったのかも。あと何と言っても、亜紀とサクの両親が素晴らしかったですよね。最終回の克実さんかっこよかった!あんな激しい芝居初めて見たかも。17年後の亜紀の両親が、穏やかで幸せそうだったのが、何より救いになりましたね。

とにかく、最初は「また話題性だけで視聴率取ろうとして。」「どうせ映画は超えられないでしょー?」みたいな穿った目で見る人が大半だったと思うんだけど、スタッフも役者もいいもの作りましたね。演出家が違ったら、ここまでの作品にはなってなかったでしょう。やっぱ私、堤さんはコミカルなものより、シリアス恋愛ものの方が好きかもしれない。