#2「もうひとりの婚約者」

やっぱしこれって「世にも奇妙な物語」なんでしょうか。先週の痴漢事件なんかは、ギリギリであり得なくもないかなって感じだったのが、今週の受難はかなり無理がありすぎて。まず衛が迂闊すぎ!「石橋を叩いて渡る」という性格設定は、どこへ置いて来ちゃったんでしょう。エレベーターとかキャッシュディスペンサーのカメラアングルや、衛の行く先行く先に都合よく現れる美沙、なんて辺りは絵的には面白いんですけど、ストーリーまで現実離れしちゃうとなあ。キャッシュカードを盗まれる辺りは、百歩譲って展開上仕方ないとしても、例えば家に帰って来て、ドアを閉めてそのまま上がってくる所なんかで、ちゃんと内鍵を閉めて確かめるっていうワンアクションを入れるか入れないかで、随分イメージ違うと思うんだけどなあ。ま、この際どうでもいいのかな、衛の用心深い性格っていう部分は。

仕事もお金も恋人も奪われてしまった衛なんですが、吾郎ちゃんのすっとぼけたキャラのせいか、私にはそれほど悲壮に見えないんですよね。特に有紀の件。彼女のことは、口では「専務の娘だからじゃなく、君自身が好き」とか言ってましたけど、どうも愛情持ってるようには思えなくて。大体美沙の事内緒にしてるのも変だし、振られても失恋というよりは「これで出世が阻まれた」っていうショックっぽいし。もっと衛が有紀にベタ惚れ、みたいな描写があったら、よりかわいそうで良かったかも。まああまり悲惨すぎると見てられないって人もいるでしょうけど…。今後成宮君絡みで、その辺もフォローされるかな。

美沙の恨みは今のところ推測するに、恋人が衛を助けた事によって腕を怪我して、ミュージシャンの道が閉ざされ、自暴自棄になって借金を作り自殺した?みたいな感じでしょうか。でもこれだけじゃちょっと弱いよなあ。もうひとひねりした理由をお願いします。あと成宮君と蔵之介氏と吉岡美穂は、今のところ美沙の復讐とは関係ないんだけども、実は皆同じように衛に恨みを持っていて、今後結託していくってのはどうでしょう。つまり衛は自分の危機を回避しようとするあまり、他人への迷惑には無頓着に生きてきた男で、被害者に見えて加害者だったのだ、みたいな。それかとことん落ちた衛が、途中から逆に美沙に復讐する話になる、なんて展開も面白いかも(女が復讐されるのはTV的にマズイか)。何にせよ、美沙の復讐だけで全話持たせるのは無理っぽいので、今のところ楽しく見てますが、最後まで息切れしないでお願いしたいですね。