「ローレライ」(ネタバレあり)

公開の大分前から、ネットで検索すると、出るわ出るわローレライ。あーこのスタッフって、その手の方々のカリスマなんだ、それってかえってヤバいかもね…と思ってたら、やはり試写の感想は、原作が台無しだのCGがチャチいだの設定がおかしいだの、辛口のモノばかり。でも私自身は、元々映画の題材自体にほとんど興味持てなかったのと、邦画のCG使った大作って、あまり成功した試しがないじゃないですか。だからハナから期待してなかったんです。それが良かったのかな。予想より全然面白かったです。邦画としてはかなり頑張ってると思うんだけど。普段テレビドラマばっかり見てるからってのもあるかもね。「ここもダメ。あれもダメ。」じゃなく、「これぐらいできてれば充分じゃない?」っていう見方が染みついてしまったというか…。というか最近つくづく思うけど、他人の作品レビューってほんとアテにならないですね。自分でこんなサイトやってて何ですけど、ネットでの素人レビューを、映画やドラマを見る前の判断基準にするのは危険だと思います。自分も見た後に、「他の人はどう思ったのかな?」って確認するのはいいんだけど。

って話がそれました。原作は凄く長い話のようなので、それを二時間にまとめる為、かなり端折ってるなというのはわかります。もう少し各々の背景説明があると、もっと感情移入もできるし、わかりやすかったかなとは思うんですが、冗長になってしまう危険性もあるわけで。邦画って大抵途中で眠くなりそうな、退屈な長いシーンがあったりするじゃないですか。この映画はそれがなくて、サクサク話が進むとこが良かったかなと思ったので。でもほんとに全く潜水艦やアニメ系の知識がないもので、いくつか「?」というところがあって、後でネット巡りして、やっといくつか判明しました。ここから先はネタバレありなので、注意です。






・当時の潜水艦乗りは、頭をぶつける為長髪の人が多かった。
・「艦長!」の発音は、「浣腸!」で合ってる。
・パウラの超能力(?)は、水(液体)を媒介にして透視が出来るということ。(だから雨に打たれて、いきなり苦しみ出したのね。)
・ギバちゃんが浸ってたのは硫酸。バッテリーには硫酸が入ってるそうで、それが流れ出していたらしい。熱湯で火傷したか、感電死なのかと思ってた…。

特にギバちゃんの死因は謎だったので、誰かセリフで硫酸て言ってくれれば良かったのに。というかなぜギバちゃんが行くの?というのも謎だったんですけどね。あの役こそ、佐藤隆太君がやればよかったのに!何なんですかあの無駄死には。てっきり死んだと思ってた石黒賢と瀧が生きてて、隆太君はあんな間抜けな死に方するなんて…。宣伝も頑張ってたのにひどすぎるよー。役者のランク的に石黒賢はともかくとして、瀧が異様に大きい役なのにはビックリ。ヘタしたら妻夫木君より全然目立ってたでしょう。あと事前に知らなくて驚いたキャスティングと言えば、阿川佐和子忍成修吾君かな。特に忍成君は、これまた隆太君なんかよりよっぽど印象的でおいしい役!堤さんに付いてるあの少年兵、ずっとわざとらしく帽子で顔を隠していたので、「大物カメオ出演とかかしら?」って気になってたのよね。結局意味ありげに見せてたのって、堤さんとの妖しい関係を想像させようって事だったのかなあ?彼の最期はかなり鮮烈でした。

非オタク系の人に一番拒否反応が高いと思われるローレライシステムについては、事前にそういう映画だって知ってたので、それほど違和感なかったかな。ガンダムは知らないけど、一応エヴァは見てたしね…。でもパウラのヘアメークと衣装が60年前のものには到底見えなくて、私はそこが一番気になったかも。あれをやりたいなら、いっその事近未来の話とかにしちゃえば良かったのに。香椎由宇ちゃんは、日本語がカタコトという設定で、棒…をうまくカバーしてました。彼女は年齢の割には大人っぽいので、オタク系の人の萌え対象ではないんじゃないかなと思ったら、ブログとか読むとみんな普通に萌えてますね。それにしても半裸のパウラを見て、妻夫木君が全く反応しないのはちと不自然じゃないすか?つい目がいってしまって照れる、みたいなシーンがあっても良かったのに。

そういうとこも含めて、折笠って爽やかで二枚目すぎて、全然面白みないキャラですよね。あとやっぱり妻夫木君は、群像劇だと「受け」に回ってしまうんだな。強烈に目立って自己主張するタイプではないんだよね。だからこそ、あちこちで引っ張りだこなのかもしれないけど。まあそんな事はどうでも良くて、妻夫木君のルックスだけで言うとこの映画、かなり高得点なのでございますよ!「前髪下ろし派」の私としては、最近のくしゅくしゅヘアも好きなんですけど、やっぱりこれくらいの短いのがいい。そして何と言っても特効服が似合いすぎます!!あの白いスカーフが!暗い潜水艦内のシーンが多いので、きらきらお目目とぽってり唇が引き立つこと!いや、長々と感想書きましたけどね、実は上の方の文章はどうでもいいんです(え?)。正直言って、ほとんど妻夫木君に見とれてました!ええすいません。なのであまりストーリーのアラとかも気にならなかったのかもしれません。妻夫木君以外の細部もちゃんと見る為、近い内にもう一回見に行きたいと思ってます。