#9「傷痕」

倉本センセの焦らしプレイに限界寸前だった皆様、お待たせしました!ようやく、ようやくタクちゃんに出番らしい出番が!しかーし、昨日の回を思い起こすと、なぜか私の頭に真っ先に浮かんでくるのは、未亡人の「いいともー!」というセリフであった…(撃沈)。今回は倉本さん脚本じゃなかったはずなのに、「マスター、イカしてます。」「ボーイフレンド」「気にしておられた。」「いっぱいエッチしてもらった?」「ちょっと会えないだろうか。」などなど、レトロな言い回しがたくさん。弟子も洗脳されてます。しかし清水美砂はエラい。あんな恥ずかしいセリフをちゃんと言うなんて…。ゲストのキョンキョンは、さすがの貫禄ですね。ほんといい女優さんになったなあ。この人、声がいいと思う。keke2003の自堕落日乗さんの「小泉今日子は内面が輝いていることを表面の汚れで表現できる見事なキャラクターを作り出している」という意見に激しく同意。

にしても、やっぱりキョンキョン長澤まさみちゃんは似てる!特に横顔が似てる気がします。タクちゃんの回想で、初回のアズが出てきたでしょ?そういや最初は、前髪短かったんだね。それがあっという間にアゴまで伸びちゃってて、これって髪が伸びるのが早いというよりは、眉毛からアゴまでの距離が短い、つまり顔がむちゃくちゃ小さいって事だよなーと変に感心してしまいました。そして二十年くらい前にも、キョンキョンの髪を見て同じ事思ったのを思い出しました。キョンキョンが「手出して来ないって事は、彼はあんたの事ほんとに好きなのかも。」とか言ってましたけど、そもそもタクちゃんがアズに恋愛感情持ってるようなそぶり、今までありましたっけ?あれは「大切に思ってる」とかじゃなく、どう見ても「眼中入ってない」って感じだったけど…。それなのにいきなりラブラブっぽくなっちゃってんのね!タクちゃんも結構勝手な男だよなー。

しかし倉本さんがリストカットにこだわったのは、拓郎の刺青も同じ「傷」って言いたかったわけだ。なるほどねー。親にもらった大切な体に、傷つけるような奴は許せないよね?当然だよね?と。幽霊タイムの「赤ん坊の頃の拓郎の肌は綺麗だった」という夫婦の話も、思い切り刺青批判なわけよね。アズも「死神」見せられて、(噴き出すでもなく)異様に怯え、「それだけ悪い事なんですよ!」と暗に見せてるし。でもアズのリストカットと、拓郎の刺青(センスの善し悪しは置いといて…)を一緒にしちゃっていいのか?拓郎がそこまで追いつめられていたのに、親として全然力になってやれなかった事、そして必死で更正しようとしているのに、何年もずっと無視してきた事は、「刺青」でおあいこになっちゃうの?やられたらやりかえすの?親なのに。いや、おあいこどころか、せっかく一旦はいい雰囲気になったのに、予告ではまたマスター、「あいつは死神だ!」とか怒ってませんでした?そしてタクちゃんはひたすら「僕が悪い」と反省して、自分の腕を焼こうとまでしてましたよ?

これがね、父親が五郎さんみたいな人だったら、まだわかるんです。自分を一途に愛してくれてる父親を悲しませてしまった、というのならね。でもマスターはそうじゃないっしょ?ほんと、元暴走族でとっくに成人してるタクちゃんが、なぜあそこまで自分を悪者にするのか、父親に許して貰おうと必死になるのか、さっぱりわからないし、イライラするのです。喫茶店でのアズとタクちゃんのシーンは、二人とも本当に瑞々しくて、胸がキュンとなるような、素晴らしい演技だったと思うんだけど、いかんせん脚本が…。言葉遣いの古さなんてどうでもいいけど、根本的なメッセージに共感できないよ。このドラマ、ほんとに役者に助けられてると思います。だって何の根拠もないのに、勝手に「お守りは父親が持ってきてくれた」って思い込んで、喫茶店でボロボロ泣き出す男ってどうよ?そんなとんでもない役なのに、ちゃんと説得力持たせて感動させちゃう二宮君は凄い。タクちゃんが彼じゃなかったら、一体どうなってたんだろうと寒気がしますよ。