私はなぜドラマを見るのか

96年に始めたこのbdfdが、いつの間にかすっかり「ドラマレビューサイト」になって3、4年でしょうか。それまでは特別ドラマ好きって訳でもなかった私が、なぜこんな事になってしまったのか。ほんとは去年MTにした時に、自己紹介代わりに使おうと思っていたネタだったんですが、つい延び延びになってしまいました。

履歴書の趣味の欄に「映画鑑賞」と書く人はいますが、「TVドラマ鑑賞」と書く人はいないと思います。「映画に詳しい人」って言うとかっこいいイメージですが、「ドラマに詳しい人」ってあまりいいイメージないでしょ。ドラマって(特に最近は)かなり見下されがちなんですよね…。でもここ数年で急にドラマにハマり始めた私としては、映画とはまた違った、ドラマならではの面白さを、声を大にしてアピールしたいのですよ。ドラマだって捨てたもんじゃないよ、と。映画と比べた場合、連続TVドラマ(以下ドラマと表記)のマイナスポイントは、

1.予算が少ない
2.制作時間に余裕がない
3.性や暴力表現の規制が厳しい
4.老若男女にわかりやすい内容でなければならない
5.作り手の表現したい事・芸術性より、視聴率優先
6.演技力より人気先行のキャスティング

こんな感じでしょうか。ありゃ、なんか救いようがない気がしてきた…。でもまあ、これはみんな最初からわかってる事で。でもドラマにだって映画よりいい所だってあるんですよ!私がドラマを真剣に見始めてから気づいた、ドラマならではの優れた点を挙げてみますね。

1.トータル時間が長い…ワンクールのドラマなら、通常10話ほど。10時間分のストーリーが作れるわけです。映画はせいぜい2時間しか取れません。長けりゃいいってもんじゃないけど、元が長い原作を映像化する場合など、2時間じゃ足りないですよね。10時間分のストーリーを10等分しても良し、1話完結を10個作っても良し、色々なパターンができるわけです。

2.視聴者の反応を見ながら調整できる…通常のドラマは、放送前に全部撮影済という事はまずありません。例えばある役の受けがいいなと感じたら、そのキャラのシーンを増やすとか、リアルタイムの時事ネタを入れるとか、臨機応変にできるわけです。又、視聴者の反響が大きいと、スタッフやキャストが俄然ノリノリになって来て、更にドラマが面白くなるという事もあります。

3.フタを開けるまでわからない…私も最近は、キャストではなくスタッフで見るドラマを決めるようになって来たんですが、それでもやはり、面白くなるかどうかは「賭け」なんですよね。映画の場合、必ず公開前に完成品の試写会があり、他人の評価で判断してから見に行けるじゃないですか。でもドラマは、「あれ、面白いらしいよ。」って聞いた時にはもう遅い。だからこそ、自分が「これ!」って思って見始めたドラマが当たりだった時は、もの凄く嬉しいんです。ある種ギャンブル的というか、私はこの快感の為にドラマ見てると言っても、過言じゃないかもしれません。

4.ネタバレなし…3と関連して、とにかくドラマは「撮って出し」なので、この先の展開がどうなるのか、予測が付きません。毎週毎週、「次はどうなるの?」「えーっ!そう来るか!」ってドキドキワクワクしながら、見る事ができます。これは後からまとめてDVDを見るのでは、絶対味わえない楽しさ。

5.タダ…ってミもフタもありませんが。これ、実は一番大きいでしょ?まあ正確にはまるっきりタダじゃないにしろ、家にいてテレビつけるだけで見られるんですよ。映画や舞台は、やはり自分が興味のある内容とかキャストじゃない限り、お金出して劇場まで行かないですよね。でもドラマなら、自分の守備範囲外のものとも、出逢えるかもしれない。タダで見られるんだから、「映画と比べてショボい」とか、わかりきった文句は言いっこなしで、気軽に楽しめばいいんじゃないのかなあ。

こんなとこかな。いや、「それのどこが優れてるわけ?」と突っ込まれたら、何も言えないんですけどね…。でも私はこの辺に、ドラマならではの面白さがあるなって感じてるんです。最近若者のドラマ離れが進んでるらしく、確かにネットなんかでも「最近のドラマはつまらない」という意見をよく読みます。が、ちょっと待った!ほんとに昔よりドラマの質が落ちてるのか?それはあなたが、面白いドラマを見逃してるだけじゃないの?「高視聴率=面白い」とは限りませんよ。

現に私は、トレンディドラマ全盛期なんかよりずっと、ここ最近の方がハマったドラマは多いです。もちろん見方が変わったってのもあるけどね。確かに「こりゃひどいな」ってのもあるんだけど、視聴率が取れない時代だからこそ、作り手側も色々考えてると思うんです。ハードディスクレコーダーもどんどん普及してる事だし、視聴率は上がらなくとも、これからはドラマを録画して見る人が増えるんじゃないかな。質のいいものを作れば、DVDは売れるっていう前例もいくつかある事だし、決して先行き暗いばっかりじゃないと思います。ま、とにかく皆さんドラマ見ましょうよ。そして一緒に盛り上がりましょ。