#1「背徳の快感」

延長した「アタック」を見てからこっちに移ったので、冒頭のシーンは後で録画見たんですけど、凄かったですねえ。テレビドラマでこれほど「醜い顔」のオンパレードを見た事ってあったかしら。特に加藤は呪われそうな位酷かったです。ざくろを貪り食って、顔中真っ赤にしてる牧瀬も凄い。で、肝心の内容なんですけど、初回から飛ばす飛ばす。森口瑤子は予想してたけど、松原智恵子があそこまでキチ○イキャラだとは思わなかった。いくらなんでも壊れすぎ。ちょっとこの二人に関しては、初回から演出過多かなーって気がしました。あまりぶっ飛びすぎると、昼ドラとか大映ドラマになっちゃうよ…。内館ドラマの登場人物は、どんなに凄くても、「私もこういう気持ち、あるかも」とか、「こういう人っているよなあ」ってのをちゃんとベースに感じさせないと。そして回を追う毎にどんどん壊れていく…ってのが醍醐味なんだから、最初からあまり狙いすぎるのは、弘子風に言えば、「下品ね!」ですよ。(いや、このセリフは笑いましたけどね。)

って期待値が高かったので、ちょっとダメ出ししちゃいましたけど、もちろん文句なく面白かったですよ、ええ。森口瑤子、「賭けてます!」って感じですねえ。長セリフのとこは気合いが入りすぎて、私はちょっと引いてしまったんですけど、それ以外のとこはみんな笑えました。ちょっと「羽田でいい女とぶつかった」って聞いただけで、その情報を120%生かして杏梨にイヤガラセするとことか、ゴミ箱をあさる時の素早さとか、社員へのキレっぷりとか、エマニエル椅子とか…。あと千夏の作ったフラワーアレンジメントが、かなりダサかったのも笑えましたね。あれ、絶対わざとでしょ。加藤は演技も下手じゃないと思うし、ほんとにああいう人いそうでかなりリアリティあるんだけど、ちょっとこのモテモテの役は荷が重いかもなあ…という気も。「不機嫌なジーン」の黄川田君ぽい。何せ他の男がおじいちゃんにしか見えない藤竜也と、若いけど素朴系な田中圭君でしょ。なんかこう、もうちょっと華やかな人が欲しかったかも。田中君はほとんど出番がなかった「優しい時間」とは違って、かなり活躍しそうですね。壊れた杏梨が誘惑してベッドイン、てのは確実にありそうだし。

ところでこのドラマが今までと一番違うのは、主役の千夏に結婚願望がない事。内館ドラマと言えば、行き遅れ気味の腰掛けOLが、異様に結婚に執着するってのがパターンだったのに。内館先生、どうやらようやく「最近の30代は、何が何でも結婚しなきゃ!という強迫観念はない」というのに気付いたようです。で、今度は逆に、「やりがいのある仕事と恋愛さえあれば幸せ」って考えてる負け犬を、ギャフンと言わせてやろうとしてるらしい。パターン通りの「甘ちゃんキャラ」は、どうやら杏梨が引き継いだようで、お約束の「資格取ろうかしら」というセリフもあり。ただ彼女はもう結婚して子供もいる「勝ち犬」ですからねえ。千夏親子の家もそれほど貧乏っぽくなかったし、ナレーションも自虐的じゃないし、やっぱり今までのドラマとは、ちょっと変えて来てるみたいです。ま、結局千夏が結婚したくなってジタバタする、なんて展開になるのかもしれないけど。ともかくこれから三ヶ月、楽しませて頂きます。