#3「嘘のない夫婦」

一話二話といまいち入り込めなかったんだけど、ようやく面白くなって来ました。多分千夏のイタさが出てきたからだと思う。性格悪いなー私も。特に白川の事「リュウちゃん!」て呼ぶのが、背筋が凍りそうです。で、今回のハイライトは、千夏と弘子のバトル!あそこのセリフに、このドラマで内館先生が言いたい事が、全部ぎゅっと濃縮されてたような気がします。

弘子「へえー、あなた結婚したくないわけえ?」
千夏「そうじゃないですけど、何が何でも結婚第一って思ってないだけ。」
弘子「ふーん。私はねえ、やっぱり結婚して良かった。子供もいるし、この今の安定した気持ちと幸せは、やっぱり結婚のおかげ。あんた変よ。」
千夏「結婚より、恋と仕事でドキドキする一生が欲しい女だって、たくさんいると思う。」
弘子「私は結婚より仕事だなんて言う女は信じないね。強がりよそんなの。」
千夏「うん。必ず強がりって言われるんですよね。だから私、最近では結婚したいけど相手がいなくてーって、うなだれる事にしてるんです。」
弘子「かわいげのない女ー。」
千夏「結婚して遅く帰る夫に、あんたばっかり外でおいしいもん食べてって、じとーって言う妻にはかわいげないと思う。」
弘子「強がっていられるのも今のうちよ。そのうちすぐ60代70代になって、その時独身女なんて寂しいわよ。」
千夏「もししてみた結婚が苦労だらけで、不倫、病気、子供の問題、姑の問題とか色々あったら、60代70代になってもっと寂しい。あたしの人生何だったのかしらって思うわー。」
弘子「30代で未婚で子なしって、負け犬とかいうの?」
千夏「ああそれは、夢中になれる仕事を持ってない30代のことですよ。」
弘子「女の細腕でやれる仕事なんて、いつぶっ潰れるかわからないわよ。」
千夏「結婚生活だっていつぶっ潰れるかわからないですよ。」
弘子「妻になり、母になるっていう女の醍醐味を知らない女は、哀れよ。」
千夏「夫が死んで、子供が巣立った後、生きている意味がわからないっていう女も哀れ。」
弘子「利口な女はね、そうならないように結婚しながらもちゃんと手を打っているのよ。耕ちゃん、杏梨さんも今の内に教育しときなさいよ。」
耕平「俺らの話はいいよ。」
弘子「ああいうお嬢は型どおりだから困るのよ。耕ちゃんだって陰でうんざりするって言ってたじゃない。杏梨が嘘のない夫婦でいたいって言って、疲れているのにウザいって。」
耕平「いいから。」
千夏「私、結構苦労して育ったから、涼島さんの奥さんみたいに、純粋に型どおりになれないんだと思います。素敵ですよ、奥様。」
弘子「あなた、苦労したの?」
千夏「はい。」
弘子「ピアノ弾ける?」
千夏「ぜーんぜん。でも今はお店もあるし、母もいるし、すっごく幸せ。この暮らし、大好きなんです。」

先週飯島さんの演技がどうこう言ってしまったけど、ここは良かったな。この会話、一見千夏の方が正論で、弘子が時代遅れみたいな感じするけど、千夏の言葉はどうも上っ滑りというか、自分でそう思い込もうとしてるだけ、って感じしません?あまりにも迷いなく、「私は今、幸せ!」って言い切りすぎっていうか。その辺の、どんなに酷い事言われても慣れっこです、ってな打たれ強さとか、ひたすら笑顔で丁寧に、でも言いたい事ははっきり言うとことか、最後には弘子に気に入られて、杏梨を持ち上げつつやんわり耕平を拒絶するとことか、ダテに女一人で苦労してきてないわよ!って感じのテクが凄い。で、千夏はそんな自分に自信持ってるんだけど、恐らく今後、それが揺らがされる事になるんだろうなあ。他の負け犬ドラマ(見てないけど)なら、ここで千夏は徹底的に被害者になって、視聴者に「あんな酷い事言われてかわいそう。弘子ってサイテー。」って同情させるだけでしょ。それが千夏にも共感できないってのが、牧子クオリティー。二人とも痛い、って描き方するんだよね。

お母さんはなんつーかもう、ほんと一刻も早く病院に連れてって!としか言いようがないですな。最後の虫メガネはあざといけど、笑ってしまいました。あと紫の短いソックスが効いてた。松原さん頑張ってるなー。加藤はもしかしてちょっと痩せた?なんか急に見やすくなったような。結構ハマリ役だと思うな。牧瀬も田中君もいいんだけど、やっぱし藤竜也が浮いてる。どうも白川と千夏のカップルが、違和感ありまくりなんだよね。うどんのとこも、全然意味わかんなかったよー。なんであれで惚れてしまうのか…。金に苦労してたから、キップの良さに感動したって事?自分を「高い女」って見てくれたと思ったって事?ようわからん。来週は杏梨がバイオリンの人も呼んで、家庭内コンサートみたいな事してましたね。弘子の怒り狂う姿が楽しみだわー。