「真夜中の弥次さん喜多さん」(ツボ拾い編2)

続きです。小ネタ(ギャグ)を拾おうと思ってたのに、ただの細かい解説になって来ちゃいました…。こういうの無粋かなとは思うんですけど、とにかく短くまとめるって事ができないんですよ、私。一つ書き出すと、あ、あれも触れたい、これも…ってどんどん増えちゃうし。









<王の宿>
・街道
茫然自失状態の喜多さんと、。「波!」とかやって相変わらずお馬鹿な弥次さん。繋がってる手がやけに安っぽいのは、わざとですよね。

・おちん茶屋
くど監日記で天気が悪かったと書いてあるけど、確かに「いい所ですねえ」とか言いつつ、雨降ってますよ。そのせいで、茶屋の屋根の下での芝居多し。弥次喜多を怖がって、毛皮のしっぽに顔を埋める呑々がかわいすぎる。一個疑問なのは、富士山の絵を破ったのは、リアルじゃない喜多さんのはずなのに、ここで破れてること。破るまでがリアルなのかなあ?レディオばばあは、青木和代さん(ジャイアンママ)だったんですね。毒蝮さん、出番が少なすぎ…。

・丸子の宿
あのタケちゃんマンもどきの衣装は、勘九郎さんはノリノリだったそうです。アーサー王とかエクスカリバーとか、私無知だから全然知らなかった…。手からとろろを出すのは、サイババですよね?とろろの痒みに耐えかね、喜多さんがエクスカリバーで弥次さんを殺してしまうのは、原作通り。「一人くれえ喜多弥次って呼んでくれても…」はオリジナルですけどね。クドカンは呼び名にも結構こだわるんだよな。ここの格闘シーンは、もうちょっと迫力ある感じに撮れなかったのかしら…。音楽で助かってるけどね。

・映画館
いきなり「完」の文字が出て、クドカンお得意の入れ子構成。でもなんかここで一気に冷めちゃって、その後入り込めなくなった人が多いんじゃないかって気がするんですよね。だからって他にいいアイデアがあるわけでもないんですが…すいません素人の分際で。本当は夜中にヤクを飲もうとした段階で、弥次さんを絞め殺していたと。その後のシーンは全部喜多さんの妄想だと。同時上映は脚本では「ベンハー」ではなく、「クレヨンしんちゃん」になってます。

・三途の川
死んでもキャラは変わらない弥次さん。「急激にふかーい!」ってビビってるし。奪衣婆のクールでとぼけたキャラがかっこいい。源流を説明する図は、原作のとそっくり。

・お伊勢丹
また空想の世界に逃げ込む喜多さん。空想上の弥次さんと新宿の歩行者天国へ…。この撮影、ゲリラだったけど、周りの人は全然長瀬君だと気づいてなかったそうです。そして屋上に切り替わると、弥次さんが妻夫木君に!ここ、弥次さんの演技を、かなりうまく真似てません?長瀬君のビデオとか見せたのかなあ。それにしても妻夫木君、はじけすぎですから…。「うぃーん、うぃーん」「四時さんでい!」腕毛が濃い!あのパネル欲しい!

・きのこバー
ARATAってこんな老けてたっけ…。「ピンポン」ちゃんと見てないんだよなあ。今度見直すかな。原作のバーテンは、もっと妖しげで危険な感じですよね。ARATAだといい人そう。

<魂の宿>
・不健康ランド
良々キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! いやあ、とにかく圧巻です。一応バスタオルで胸まで隠してるのが、元女性なんでしょうかね。原作だとここはもう魑魅魍魎というか、ワケのわからない物体だらけなんですけど、それを逆手に取って、全部同じ顔ってのはウマい。一人「からあげ頼んだ人〜?」ってスルーされまくってる奴がいるのが、妙に気になって気になって。撮影、大変だったでしょうねえ…。そして浪速ホット師匠と再会。やはり彼は死んでいた事がはっきりします。んで相方と漫才して、二人とも消えちゃうシーン、無茶苦茶怖いですよね…。これ、子供が見たらトラウマになるんじゃないかな。

・きのこバー
喜多さんがカクテルを飲むと、うその弥次さんが現れる。長瀬君、アイドルスマイルでむっちゃかっこいい。それをうっとり見ている喜多さんの表情も凄い。USO弥次さんは、着物の柄が横縞なんですよ。芸が細かいなー。そしてきのこ妻、麻生久美子登場。原作では寝たきりなんですが、映画は一度起きるんですね。クドカンが「原作ファンは怒るかもしれない」って言ってたけど、これはOKなんじゃないの?何より色っぽいし。男子の感想だと、「麻生久美子がイイ!」って書いてる人多いしね。酒を飲んで死者の夢を見、蘇った死者は、恋人に酒を飲ませ続ける…って、原作読んだ時イマイチ良く理解できなかったんだけど、これはわかりやすかったです。

・森の中
道に迷う金々と呑々。突然キレる呑々にビクビクする金々が、反抗期の息子を持った母親みたいでおかしい。「これ高い本、いいのっ?」ところであのスケベ椅子は、「おとこのいす」でいいんですかね?

・不健康ランド
喜び組と温泉つかってる弥次さん。しかし弥次喜多と関わった人達、みんな不幸になってるよなあ。お幸ちゃんも口がきけなくなっちゃったし。ここはもう、「生き返る?」「生き返る?」「生き返る?」「バスタオル?」でしょう。良々の頭から魂が抜けだして来るCGは、ちょっと根本敬っぽいと思った。

・きのこバー
バーテン目パチパチ→「…なんか喋ってよ。」「すいません、私は…。」→「…手品でもやりましょうか。」「いいよ。」ここ、結構好きなんですけど、あまり笑う人いないんだよね。ここで金々&呑々登場。USO弥次さんの頭がお初で一杯に。そしてお初現る。

・源流
ぬわんと、源流は巨大良々の涙!この発想も凄いな…。そして弥次さんは、この良々はお初だと言うのです。奪衣婆の「マジかよ」つーツッコミがいい。

・きのこバー
「久しぶりぃ!」「あぁ、久しぶりだね…。」←この言い方最高。小池栄子がやたら男前です。そしてキノコがどうこう、エクスカリバーがどうこうという会話に、「ダメだ、全然ついてけねえ…。」と水を差す金々。これもクドカンのパターン。

・源流
「私が気を引いてる間に、向こう岸に回りな。」「無理だ。」「どうして?」この次の、「なんか、デケえし。」これ凄いツボなのです。木更津映画版の、「休みの日は休みたい。」(by團長)と、共通する空気を感じます。あと、「真夜中の弥次さん喜多さん」の歌詞、「疲れがたまれば眠くなる」も。いや、言葉では説明できなんですけど、なんか共通してるんですってば。私の中では。

・長屋の回想
ここで冒頭の米研ぎが出てきます。おお!そんな事すっかり忘れてたよ!鼻をすする癖は、良々になっても同一人物だってわかりやすいようにかな?ひたすら「お米を研ぎます。」と丁寧な口調で、いきなり米をぶちまけるのが怖いー。そしてもみ合いになる所では、軽々と長瀬君を振り回す、小池さんのパワフルさがド迫力。刺された後の見開いた目も怖い。ここもトラウマになりそう…。

・源流
「チャラチャラ生きてりゃチャラチャラ死ねると思って。でもチャラチャラしすぎて、喜多さんに殺されちまった。」「お前さんは勝手だ。」「ああ、勝手だ。」「お前さんは弱虫だ。」「ああ、弱虫だ。」そしてまた喜多さんと旅を続けたいと言う、馬鹿正直な弥次さん。お初は弥次さんのこんなとこが好きだったんだろうなあ。弥次さんが弱い喜多さんを丸ごと愛してるように、お初も弥次さんのダメなとこもひっくるめて、全部愛してる。「だったら私も、恨んでないよ。」あんた…いい女だよっ!

・きのこバー
お初の涙がエクスカリバーを伝わり…って、ここで赤い着物の下が、おっぱい丸出しじゃありませんか?他のシーンは白い着物みたいなのを着てると思うんですが。お初はUSO弥次さんと一緒に消える。これで彼女も気が済んだのかも。

・源流
お初が泣きやみ、川が干上がって、魂が向こう岸に渡ろうとするが、カエルになってしまう。これも怖いぞ…。で、お初のお尻の下を通る弥次さん(上見たくないよな…)。その瞬間、お初がおならをして…。ここで吹っ飛んで転んだ弥次さんが、ふんどしで大開脚するので結構ヒヤヒヤします(何が?)。森下さんと岩松さんが老けちゃうのは、何でなんだろう。

・きのこバー
ついに再会!以前も書きましたが、ボロ弥次さんの着物のつぎはぎが、結構かわいいので注目ですよ。この時のキスシーンは、かなり喜多さんから迫ってってますな。さりげなく後ろを向くバーテンもいい。

・山道
きのこと酒ですっかりトリップしてる、金々と呑々。「おとこのいす」がキノコ入れになってるし。彼らは果たして、無事江戸に帰れるんでしょうか。なんか不吉な予感もしますが。

・弥次さんの妄想?
足の長い象様に乗ってる弥次さん喜多さん。まあ、ピンクの象っていうのも象徴的ですからね。

・これはリアル?それとも?
で、バイクで疾走する二人のショットで終わり。このバイクはリアルだとか、実は二人とも死んでるんだとか、どうとでも取れる終わり方ですよね。一応二人の笑顔で終わってるけども、決してハッピーエンドとは言えないんじゃないの?って、考えれば考えるほど、わからなくなるという…。

<エンディング>
・前も書いたんですけど、テロップにぶら下がる良々って、「魔法使いサリー」じゃないのかなあ。色んな人の感想読んだけど、誰もそう言ってる人がいないんだもん…。最初見た時、「おおっ!」って一人で興奮したのに!


以上、ほんとーーーに長々とご拝読ありがとうございました!もっとかいつまんでやろうと思ってたのに、案の定この始末。どーすか?もう一回見に行きたくなりませんか?