#8「元妻の妊娠疑惑」

今週はいよいよ明之達兄弟のトラウマの元、父親登場。岸辺一徳というキャスティングで予想できた通り、このお父さん、女ったらしだけど妙にすっとぼけたキャラクター。危篤ってのは肩すかしだったけど、とんでもない事実が明らかに。実は元々付き合っていたのは了の母親の方で、結婚寸前に浮気した明之の母親が妊娠してしまい、仕方なくそちらと結婚。しかし了の母親ともその後復活してしまい、了が生まれて結局父親はそっちを選んだ、と。ずーっと「了とその母に父親を奪われた」と思い込んでいたのに、略奪したのは自分の母親の方だったなんて!中学生の時からの積年の恨みを、どこへ持っていけばいいのやら、だよね。了だってずっと「愛人の子」っていう目で見られていたのに…。そしてそんないい加減な父親が大嫌いで、ずっと反発し続けて来た明之が、梓に「友さんが雨の中裸足で追いかけて来たら、あなた行ってしまいそう」と言われて、「俺もオヤジと同じ事やってるじゃないか!」と愕然とする流れはお見事でした。ついでにEDで梓を泣かせ、「待てよ…妹(これは予想通り引っかけでした)が25って事はオヤジが40の時の子?俺まだ38なのに!」っていう追い打ちまで…ううう。

友と梓もすっかり立場が逆転。あんなに押せ押せだった梓が、いざ明之を手に入れた途端弱気になって。こういう気持ちわかるなあ。攻める方はいいけど、守る立場ってほんと不安だよね。友が「明ちゃんは物じゃないのよ!」ってぴしっと言ったとこは、かなり爽快だったー。かっこいい!明之の気持ちが梓から離れそうになるのが、EDとか、憎い弟の元彼女であるとか、父親と同じ事をしているという罪悪感とか、アーティスト同志の嫉妬とか、色んな理由が絡みあって物凄く説得力がある。単に流されやすくていい加減な奴、とも言えるけど。まあそもそも憎しみ合って離婚したわけじゃないしねえ。そして友はやはり妊娠。こちらは予想通りだったけど、了が「姉さんは俺に一生髪を切らせるってさ」と言った時には、「えー!?なんでよ友!!」と驚愕したさー。でも了の早合点で、別に結婚するとかいう意味じゃなかったのね。しかし妊娠は、明之もだけど、梓もショックだよねえ。EDって本人もつらいだろうけど、相手の女性もかなり自信喪失すると思う。友とは子供作ってたのに私とはダメなんだ…って。

あと今回良かったのが久住姉弟だなあ。友に全然相手にされてない俊介だけど、玲子はちゃんと弟の良さがわかってくれてて、嬉しかった。でもちゃんと、「ずるいよ、姑息だよ。いい人って思われたいだけじゃない。人から嫌われたくないだけでしょ。」と苦言も呈してくれて。こんないい姉ちゃんだったら、そりゃ俊介もキレるさあ!
「お前らって、ほんと寂しい奴らだよな。子供のころ愛されなかったから、愛する事が下手でもいい。家庭が複雑だったから、家庭になんか夢を持てなくてもしょうがない。誰かを許すのは嫌だから、自分も許されなくていい。そうやって理屈つけて、ラクしようラクしようと思って結局、人の心を推し量れない寂しい人間になってくんだよ。我が家の家訓は代々な、『人には優しく』なんだよ。姉貴はそれを胸に弁護士になった女なんだ。その姉貴の事を、お前が笑うのが一番許せない!」
あーーーー痛い!痛いです耳が。何事も深く立ち入るのが面倒だし怖いから、その場その場で流されていい顔して。
「そうです。俺は寂しい人間です。」
ああ、やっぱり明之≒修二(@野ブタ)じゃん…。

結局友は、一人で子供を育てる決心を。私は妊娠した事ないんでわからないけど、まだ実感も湧かないうちから、そんなに強くなれるもんなんですかねえ。
「明ちゃんは、私に本当の事を教えてくれたから。誰かが自分の全てになる事なんて、自分が誰かの全てになる事なんてないって、教えてくれたから。それだけで十分。ありがとう。」
このお腹にいる子供は、間違いなく私の全てです。この子にとって、私が全てです。
確かに、友が何よりも求めていたのは「家族」だもんね。結局友とも梓とも、いい関係を築けない明之。でもどんなに憎んでいても逆らっても、父親や了とは肉親であり、どこか似たもの同士だったりする。お父さんの、「他人同士はくっついたり離れたりできるけど、親子はどんな事があっても親子じゃないか!」という言葉が印象的だったなあ。俊介と玲子といい、結局「真に理解し合えるのは血の繋がったもの同士だけ」という事なんでしょうか。うーん、深い!