古畑任三郎ファイナル#1「今、蘇る死」

古畑任三郎は、第二シリーズが一番印象深いかなあ。今泉君もいなくなって、田村さんの体調が悪かった第三シリーズ以降は、結局ほとんど見なくなっちゃいました。でもこのファイナルは、流石に三谷さんも気合いが入っているようで、去年から楽しみにしてたんだよね。キャスト的には第二夜のイチローや第三夜の松嶋菜々子の方が話題を呼ぶんでしょうけど、三谷さんのコラムなんかを読んでも、私は実はこの第一夜こそ、一番ストーリーに自信があるんじゃないかな?と睨んでいて。まだあと二話見ないとわかりませんが、とりあえず昨日は久々に面白かった!一応ミステリーなので、ここから先は畳みます。
 
 

 
まず何と言っても藤原竜也君の怪演ね!それ以上やったらヤバいから!っていうギリギリの線でしたな。ポップコーン食べながら殺人ノート見てる時の顔なんてもう…。あの純真さと狂気が紙一重になった、キラキラした目の輝きといったら!「組!」の総司のデフォルメ版?三谷さんの藤原君に対するイメージが良くわかって、かなり笑えました。彼もそれがわかってて、期待に応えてオーバーにやってたんじゃないかな?得意技の早口まくし立てとか、もうおっかしくて。なんか「役者・藤原竜也VS田村正和」って感じもあった。いや、正直正和さん押され気味だったんじゃ?私が一番笑ったのは、「角砂糖に例えて言うなら、ちょうど二個分、ちょうどに、こ、ぶ、ん、です。」といつもの調子の古畑さんに、音弥が素早く「なんで二回言うの。」と突っ込んだとこです。なんか真骨頂って感じで。番宣でも散々「こんな完全犯罪は見たことがない」と煽っていたので、てっきり音弥はべらぼうに頭のいい若者なのかと思っていたけど、案外おバカさんな事が早々にわかり、最初の発表では「初めて犯人が最後までわからない話!」とされていたのを、三谷さんが後から「あれは間違いで、犯人は藤原竜也です。」と慌てて(?)訂正した意味が、なんとなくわかってきて…。というかおばさんを引き留めて話を続ける先生、ってとこで、この人も犯人なんだなとは気づいたんだけども、最初は音弥をこっそり助けてあげてるのかな?と思ったんだよね。もしかして実は親子?とか。でもラジコンてモチーフが出てる時点で、「操られてる」ってヒントが出てたんだなあ。やられた。

見ながらところどころで、「軍手は先生が細工したんだな」とか、「ノートを書き換えて音弥をはめるのだろう」とか、「あの欠けた土器が昔の事件の凶器だな」とかは思ったんですよ。でもドラマにのめり込んでるので、それらがうまく一本の線に繋がらなくて。なので最後は素直に「あー!そういうことかー!」って感心しちゃいました。まあ、本格的ミステリファンにとっては、これぐらい大した事ないよって感じなのかもしれませんが、古畑はそういうドラマでもないしね。で、今回はその謎解きという部分だけでなく、他の部分もかなりいい出来だったんじゃないかと。田村さんも第三シリーズの時より随分元気そうだったし、西園寺君は出過ぎず自分の仕事をし、今泉いじりもしつこすぎず、ゲストの二人もそれぞれが持ち味を出して、バランスが絶妙でした。そして石坂さんにちなんで(?)、閉鎖的な寒村、古いお屋敷、呪われた血筋、わらべ歌、不気味な老婆など、金田一風(一応言っておくと少年じゃないよ)のアイテムがたくさん散りばめられてたのも、とても楽しかった。しかも吉田日出子に「アヘアヘアヘ」と歌わせたりして、微妙におちょくってるとこがおかしい。もっと詳しければ細かいネタもわかったんだろうなあ。また見直して色々発見したいです。