「新選組!!〜土方歳三最期の一日」
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2006/04/21
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多分そういう方達に比べたら、私はかなり気楽に「組!!」を見ました。余計な思い入れがなかったのが幸いしたのか、素直に「いいドラマだった」と思えました。逆に緊張感なさすぎて、何も感じずに終わっちゃったらどうしよう、とか思ってたんですよ。でも一昨年あれほどのめり込んでたドラマだもの、そうは問屋が卸しませんでした。結構最初の方から、何度も熱いものがこみ上げてきて…。山本耕史君なんか前日紅白で見たばかりだし、他の役者さんもすっかりご本人のイメージが強くなっていたのに、「ああ、土方さんだよ!」「総司!」「山南さん!」「わんこたん!」「か、かたぼり様ぁ!!!!!(なぜか!が多い)」って、すっかり「新選組!」の世界に引き戻されてしまって。登場人物一新されてるし、舞台も明治になってるし函館だし、「別のドラマだよなあ」って思ってたのに、やっぱ「新選組!」なんですよ。そういや一日一話っていうのは、そもそも大河時代からのお約束だったしね。まだ一回しか見てないので細かい部分は拾い切れないんですが、色々リンクしてるネタがあったはず。
あと演出が「流山」の吉川さんだったり、ちゃんとロケシーンを入れていたり、戦闘シーンを極力少なくして室内での会話劇中心にしていたり、この辺は三谷さんが大河の時の失敗を踏まえて(?)、できるだけ演出が脚本の足を引っ張らないように工夫したのかなと。で、それが見事成功してました。試衛館の回想シーンが思いの外早い時間にあったのは、やはり総司が「古畑」とかぶるからですかね?(照英は?)慎吾ちゃんの新録がなかったのは大人の事情なんでしょうが、それをうまい具合に生かしてたと思います。近藤さんは最後の最後、あの出方で正解でしょう。榎本の片岡愛之助さんは初めて拝見したんですが、素晴らしく良かったですねえ。土方とのシーンは物凄いセリフの量で大変そうでしたけど、二人の好演でグッと引き締まりました。草なぎ君ではこうは行かなかったと思う。キャスティング大正解です。吹越さんもいい具合にアクセントになってたし、池松君の市村鉄之助はもう!反則ってくらいかわいかった。ラストシーン、良かったですよね。山崎樹範&鳥羽潤は意外と出番がなくて、ちょっと気の毒だったかな。小橋君は赤胴鈴之助みたいだった。
元のお話自体あまり詳しくないんですが、土方の最期を悲しい「負け戦」としてではなく、「勝てる」と希望を持ったまま撃たれた、としたところは三谷さんの信念を感じました。うん、やっぱり「新選組!」はこれなんですよ。大河が決まった頃は「童顔で地味すぎるんじゃないの?」と思った山本君も、もうすっかり土方歳三に成りきって、華も貫禄も充分。立派になったなあ、と親戚のおばちゃんのように感慨深かったです。三谷さん、スタッフ&キャストの皆さん、二年越しの大仕事お疲れさまでした。