古畑任三郎ファイナル#3「ラストダンス」
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2006/05/17
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とまあ、菜々子に関しては「嬉しい誤算」だったんだけど、ストーリーはちょっとひねりがなさすぎたかなあ。双子って時点で、入れ替わるんだなってわかっちゃってたんで、最初から「いつの時点で替わるんだろう」って視点で見ちゃってたから、かえでがいちいちワイングラスの縁を拭くのも、ダンスも、コートに気づかないのも、マンションのセキュリティも、人形も、ほとんど気づいちゃって。意外性がなさすぎて、ちょっとガッカリ。いや、最初は最終話の犯人が脚本家だと聞いて、「古畑任三郎は加賀美京子の創作した架空の人物でした」みたいな、とんでもない話になっちゃうんじゃないか?とまで思ってたんですよ。でもまあ、三谷さんは大人でしたね…。「登場人物のセリフを借りた脚本家の愚痴」も、心配してたほどクドくなかったし。一つだけわからなかったのは、水槽の鏡。でもなあ、これも、いかにも男性の考えた話だよなあって。姿見にはできても、あれで化粧は無理だべ。殺人後のかえで(ほんとはもみじ)がヤケに化粧が濃かったんで、あんな鏡でやるからそうなったのか?と思ったら、それは単に慣れてないから、って事みたいだったし。
一応第一話の明菜の話が出てきたりとか、ラストっぽいとこもあったんだけど、思ったよりさらっと終わっちゃいましたね。なんだかまだまだ続編もできそうな感じに。私自身、今回の三作は結構楽しめたんですよ。でも多分第三シリーズはほとんど見てなかったり、古畑自体久しぶりだったせいもあるんだろうなあ。三谷さん自身ミステリ専門作家ではないし、普通のドラマでさえワケのわからない規制がたくさんある今、毎回殺人事件を書かなきゃいけないっていうのが、どれほど大変か。今ドラマで使える凶器って、ほんと限られてるらしいですからね。かえでの事件だって、今の科学捜査だったら、一発で自殺か他殺かなんてわかっちゃうはずだしね、本当は。ぱっと視聴率取って、いい印象のまま終わった方がいいんじゃないかな。三谷さん、最新エッセイのあとがきで、「代表作と言われるものは皆十年以上前のものばかりで、ここ数年は全く結果を出せていない」と自覚しているようだし、いつまでも古畑に囚われてるのは気の毒かなと。田村さんもいつまでも若い役ばっかりやってないで、石坂さんみたいに老け役に転向してもいいんじゃないかなあ。