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超人気ミステリーのドラマ化だし、三ヶ月間ひたすらネタバレを避け続けてテンション保って見る自信がなかったので、一足先に原作を読みました。でも初回を見終えた今、「やっぱり読まなければ良かったのかも…」とちょっと後悔し始めてます。ドラマは原作のラストシーンから始まり、最初の事件の犯人もはっきりとバラしちゃってるんですよね。今の視聴者はそんなに気長じゃないから、最後まで引っ張るのは難しいと判断したのかな(あと抗議が来そうなシーンは、最初にやっちゃおうってのもあったかも)。この形なら、ネタバレ気にする必要なかったよね…。いや、なんで後悔かって言うと、思ったよりドラマの出来が良かったんですよ。なのに私は、原作との細かい違いが気になっちゃって。だったら「別物」としてまっさらな気持ちで見たかったなあ…と。嬉しい誤算なんですけどね。

とりあえず一番気になったのは、亮司と雪穂のキャラ設定。亮司ってあんなに子供らしく、ヘタレだった?もっと暗くて誰にも心を開かず、クールで計算高い子だったはずなのに。いや、原作では亮司と雪穂の心理描写というのが全く出てこないし、二人が絡むシーンというのも、笹垣の推理の中ぐらいなんですよね。だからまあ、どうにでも取る事はできるわけですけど、一連の犯行・隠匿は全て雪穂が考え、亮司に指示した、っていうのは「えー?そうなの?」と。私は最初から最後まで、二人は対等に悪知恵出し合って共犯関係にあったと思っていたんだけど、もしかして亮司は、悪女雪穂にずっと利用されてただけって事なのかしら。だとしたら思い切り読み違えてるなー。いや、ドラマの雪穂は、亮司に愛情があって、彼をかばう為にそうしたって事になってますけどね。刺された亮司を見て、雪穂が人前で涙を流すのもびっくり。二人に恋愛感情があった、とするのはいいんだけど、せっかくの原作の持ち味を殺さない為にも、恋愛描写はあまり入れすぎないで欲しいな。サンタ亮司とホームでの雪穂の、「行って」という指さしシンクロ、ハサミや切り絵や「風と共に去りぬ」なんかの小物遣いは良かったので、さりげなくそういうので匂わせる程度で是非。

それから舞台が大阪なのに、大阪弁喋ってるのが鉄矢と八千草薫だけってのは違和感あったけど、でもまあ、非関西人に無理に訛らせても、余計気になるだけか。あとは大体良かったと思います。脇の大人キャストが、皆しっかりハマってるのが心強い。渡部さん、怪しくていいんじゃないですかー?そして何と言っても武田鉄矢!「里見八犬伝」に続き、悪役をイキイキとやってますね。私は昔からあの笑顔が怖くて苦手だったんだけど、それをいい意味で最大限に生かしてくれてるって感じ。いきなり真相のネタバレをしてしまったので、今後は亮司&雪穂が、いかに笹垣(と松浦)から逃げるかっていうのが、ポイントになるのかな。それから忘れちゃいけない、このドラマの善し悪しを決める重要な初回で、素晴らしい仕事っぷりを披露してくれた、福田麻由子ちゃんと泉澤祐希君!二時間スペシャルで、ほぼ出ずっぱりですよ。まさかこんなに子役パートに時間割くとは思いませんでしたけど、ここでしっかり子供時代の事を描写しておくのは、正解でしたね。特に麻由子ちゃんは、「泣き笑い」みたいな微妙な表情が上手い。冷酷さと優しさの見せ方のバランスが、絶妙なんですよね。綾瀬はるかちゃんは、ちょっと「いい人」っぽく見えすぎかも。腹黒さが全く出てないんだよね。少ししか出番なかったので、今後どうなるかわかりませんけど。山田孝之君は、こういう暗い役は得意そうなので、心配してません。ただ久しぶりに見てショックだったのは、学生服が全く似合わなくなってた事…。最後は20代後半まで演じるから、それはそれでいいんだろうけど、全然高校生には見えなくなってたよ。とりあえず期待を上回るいい出来だったので、継続視聴決定。カテゴリも作りました!

P.S.初回を見逃した方、15日(日)15:00〜17:00に再放送があるようです。残念ながら関東のみですが…。