#1「10年ぶりに生還した恋人や親友に…38歳・女捨ててんじゃねえよ」

あ、あかん…。もう、ヤッチったら、まるっきり「すいか」の基子じゃないっすか!またしても自分と共通点が多すぎて(何しろ同い年だ)、それだけでもう、ハマるなって方が無理ってもんでしょ。すいません、最初に謝っておくけど、「野ブタ」同様、また何かと「すいか」を引き合いに出す事になるかもしれません。もう最初のシーンからウルウルしちゃってたもん、私。出来がいいとか悪いとか、冷静に批評なんてできないよー。はてなにも書いたけど、そもそも昨日の新聞広告に載ってた、

<10年前のわたしからの質問>

10年前に愛していた人を、今でも一番愛していますか?
10年前にがんばっていた仕事を、今も続けていますか?
10年前いつも一緒だった友達は、今も一番の親友ですか?
10年前楽しみだった誕生日は、今も楽しいものですか?
10年前になりたかった自分に、今なっていますか?
10年前に探していた自分の居場所は、みつけられましたか?
10年前の正義感や情熱を、今も持ち続けていますか?

この10年間、精一杯生きましたか?

これ読んだだけでかなりキちゃってましたから。私は最初の制作発表記事で、「事故後10年経って年金だけの為に働いている主人公の前に、親友と恋人が10年前の姿で現れる」というのを読んだ時、「うわ、自分だけ10歳も老けちゃってるなんて、それはキツいよ…。」って思って、俄然このドラマが楽しみになったのです。SF描写を楽しみにしてた人とか、「黄泉がえり」みたいな「泣ける」話だと思って見た人は、ちょっと拍子抜けだったかもしれないけど、こういう視点の描き方っていうのは、私の期待通りでした。アッチが初めて10年後のヤッチと出会う所が、なぜかテレパシーでのコミカルな掛け合いだったり、一番の泣き所であるはずの、乗客と家族の再会シーンもなぜか省かれていたりするあたり、物足りないと思った人もいるかもしれないけど、つまりこのドラマは、「再会の喜び」よりも「とまどい」や「気持ちのズレ」をテーマにしているんだよ、と強調している気がします。いや、ほんと泣かせようと思えばいくらでもベタに作れる初回だったのに、敢えてそれは避けてとぼけたコミカルタッチにしてるところ、で、逆にそれがグッと来ちゃうところや、ファンタジックな感じは、やっぱり「すいか」や「野ブタ」と共通するものがありますね。脚本家は違うけど、ヤッチの家のセットや小川など、明らかに「すいか」を意識してると思いますし。

ヤッチのあの冷たい態度は、「アッチー!生きてて良かったー!」なんて号泣されるより、彼女がこの10年どんなに苦しみ、それを一人で乗り越えたかっていうのをしみじみと感じさせてくれて、私は逆に泣けちゃいました。「18からの10年と、28からの10年は違うの。」っていう言葉は重かったな。喧嘩して「死んじゃえ!」って言ったまま、恋人が帰らぬ人になっちゃうなんて…。彼女にとっては、28で青春は終わってしまったんでしょうね。実和子ちゃんと明星さんの漫才コンビ(らしいですよ)も悲しいよね。こちらも年齢が逆転しちゃって(明星さん25歳の役らしい…)、実和子ちゃんはもう夢も諦めて、子供までいるし。他の乗客のドラマも、追々語られて行くんでしょうね。ヤッチと哲也(山本太郎)の再会は来週のようだけど、これ凄く気になるなあ。私だったらやっぱり会いたくないって思っちゃいそう。年下だった彼女がオバサンになってしまったのを見て、哲也はどんな反応するんだろう。

あの変なネット予告と、9日後にいなくなるっていう設定がどうなるのとか、気になる所もなくはないんですが、とりあえず初回は予想を裏切らず、凄く良かったです。キャストも文句なしでしょう。もう、小林聡美の時点で八割方成功してるもん。武田シンディも期待通りかわいくってもう!!彼はアッチに惚れそうじゃない?今後は何もかも諦めてしまったヤッチが、10年前の気持ちを少しずつ取り戻して行くって感じかな。定年まで穏便に働く為、「上司には逆らわない」が信条だったのに、遺族に詰め寄られてつい暴走するシーンもあったし。これ見てると自分でも、「私はこの10年何をしてたんだろう」って思っちゃうよね。あー、私の10年………そりゃ色々あったさ。原作の大石さんは、オタク系男子に人気のある方なんでしょうか?でもこれ、多分若い男子が見ても面白くないんじゃないかなあ。かなりターゲット層狭い気がする。私はもう、思い切りド真ん中直球なので、「すいか」の時みたいに、頭パンクして何書いていいかわからなくなっちゃうかも。多分毎回ウザいレビューになると思いますが、よろしければおつきあい下さい。