#2「閉ざされた未来に」

(注:私は原作を読んでいます。一応「この先のストーリーについてのあからさまなネタバレ」には気を付けるつもりですが、無意識のうちにポロっと出てしまったり、少し匂わす形で書いてしまうかもしれません。ドラマは倒叙形式とはいえ、先の展開を少しでも知りたくない!という方は、その辺り覚悟してお読み下さい。)

やっぱり思っていた通り、「純愛」路線で行くんですね。タイムマシンで「過去に行きたい」亮司は、「雪穂への罪滅ぼしとして」、「未来に行きたい」雪穂は、「時効成立後に太陽の下を二人で歩く為」、罪を重ねて行くのだと。笹垣がこんなに早い段階から二人を怪しんでいるというのも、二人が親殺しを隠す為に仕方なく…という理由になってるんだ。なるほど。原作ではただ単に、お金と立身出世の為に犯罪を繰り返すっていうイメージだったけど、テレビドラマという事で、犯人に同情して感情移入できるような作りになってるのね。刑事の笹垣も、すっかり悪役扱いだしなあ。もちろん初回の事件は、充分情状酌量の余地はあると思うのね。ほんとどうしようもない親だし。でも今回の事件だけじゃなく、今後もまだまだ話は続くわけで、このままずっと「かわいそうな子達なんだよ」「仕方なかったんだよ」で済ませちゃっていいのかなあと。亮司のバイトも、松浦に無理矢理やらされてるって設定みたいだし。古畑のイチローじゃないけども、あまり犯人を美化すると、逆にしらけちゃう気がするんだよね。だから二人には、どうせならもっと鬼畜になって欲しいかも。

まあ雪穂の方は、少しそういう片鱗が見えましたけどね。やっぱり亮司は雪穂の言いなりで、全部雪穂の指示通りに動くっていう事なのか。二人の役作りは、これはこれで、原作とは切り離してドラマとして見れば、なかなか面白いと思います。はるかちゃんはあのタレ目のせいで、「悪女」には見えないってのは予想通りなんだけど、山田君がそれを上回る怒濤のMっぷりで、相対的に雪穂がSに見えるっていうね。「そういう手があったか!」と膝叩きましたよ。いやー、山田君熱演でしたねー。「ドラゴンヘッド」のノブオを思い出したわ。子供時代の明るさに違和感があったんだけど、その後ずっと一人で罪悪感と闘い続け、ああいう性格になっちゃうっていうのは、なるほどなって感じ(原作だと子供の頃から超クールでキレ者)。ただちょっとセリフが聞き取りづらかったかな?特にナレーション。なんかやや篤郎入ってたような…。そういや「愛なんていらねえよ、夏」の時も、途中からフジタツが篤郎化してたなあ。あれはわざとそうしてたのかもしれないけど。

はるかちゃん(爆乳炸裂)は、キレる演技をもうちょっと頑張れー。雪穂に爪を噛むクセっていう設定をつけたのは、大正解でしたね。これでかなり福田麻由子ちゃんとリンクした感じ。7年間、亮司はずっとあのホームに立ち続け、雪穂は急行電車から、毎日それを見ていたんだね。トイレで再会して昔と同じ質問するシーン、はるかちゃんも山田君も、子役の演技をちゃんと真似てて、なかなか芸が細かいなと。原作の二人は、同情するどころかちょっと許せないって感想だったので、そういう点ではこの物語にぐっと入り込む事はできないんですが、ドラマとしては良くできてるし、今後も柏原崇小出恵介西田尚美とか、気になるキャストがどんどん出てくるので、楽しみに見て行きたいです。しかし田中幸太朗君、7年経ったようには見えなかったね…。一応結婚して子供が出来たみたいですが。