#9「最後の一日 運命は変えられる!」

神はサイコロを振らない DVD-BOX

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ここ数回はかなりテンション下がっちゃってましたが、最終回は良かったんじゃないでしょうか。凄くこのドラマ「らしい」終わり方でした。いくらでもドラマチックにできる題材でありながら、「敢えてベタなお涙頂戴は避ける」という姿勢は、一貫して最後までこだわってましたね。乗客側も家族側も、最後の日までギャーギャー騒いだりしないからこそ、消えた後の寂寥感が引き立ったのかも。消える瞬間にヤッチと哲也は一緒にいなかったっていうのも、他の人は皆何かしら残して行ったのに、哲也の指輪だけは消えてしまったっていうのも、このドラマらしくて良かったです。ハッピーエンドではないんだけど、教授がパラレルワールドの存在をほのめかしたり、何よりヤッチ達の心の中に、この十日間でかけがえのない想い出が出来、本当の意味で事故の呪縛から解かれる事が出来たっていうので、寂しいけれどとても後味の良いラストでした。「ジョゼ虎」観た後の気分と、ちょっと共通するものがあるかも…って言ったら誉めすぎかな。

昨日の私のハイライトは、「菊坊がアッチに『次に会う時に、恋に落ちるためです。』と言うシーン」「ヤッチと哲也の別れのシーン」「アッチが姿を消すシーン」「残されたそれぞれの人達のシーン」かな。もれなくダーダー泣きでした。特にアッチが消えてしまったところ。演出としてもほんとに淡々としてて、普通の会話のシーンだったので、「え?今なの!?」ってショックも大きかったし、何よりあの瞬間の、小林聡美の演技が素晴らしかった。ほんとにねえ、このドラマはとにかく出てる役者さん、全員良かったですよ。小林さんが上手いっていうのはみんな知ってるだろうけど、ともさか、山本、武田辺りは、これで見直したって人多かったんじゃないかな。あと私的発見は、航星役の中村友也君!この子結構お芝居上手くないですか?今後大森南朋とか山崎樹範とか長谷川朝晴系な?脇役として重宝されそうな感じ。そして璃子ちゃんの美しさにも、毎週釘付けでした。この子見てると「国民的美少女」時代のゴクミ思い出すわー。

ここ最近の日テレさんのドラマは、観ていて「自分ならどうするだろうか」「私もあんな風に行動できるだろうか」って考えさせてくれる「余地」のあるものが多く、そういう作品は大抵視聴率は取れないものなんですが、あくまでも挑戦し続けてくれる姿勢は、大人のドラマ好きにはほんとにありがたいです。そうそう、話逸れますけど、日テレのドラマ再放送枠、復活するみたいですね(ここ数年全くなかった)。「ごくせん」とか「女王の教室」とかもいいですが、埋もれた名作をたくさん流して欲しいな。