#10「開く過去の扉」

亮司がいよいよ限界になって来ました。雪穂は「あと二年で太陽の下を歩ける」と言うけど、亮司はあの後何人も殺してるわけだから、実は時効なんて関係ない。「幽霊」になって雪穂を守り続ける覚悟を決めたつもりでも、自分の存在を誰かに知っていて欲しかったんですね。だから図書館の掲示板に書き込みをしたり、典子に全てを打ち明けそうになってしまったり。笹垣のあのノートを見つけた亮司は、自分の事をこんなに見つめ続けていた人間がいた事に、感動しているように見えました。典子が全てを受け入れてくれたり、母親の遺書で彼女の思いを知ったり、笹垣のノートを読んだり、普通ならそこで思いとどまるんだろうけど、亮司はもう止まらないんだな。前回(だったかな?)は「リアルな死を感じるのはイヤだ」と青酸を使おうとしていたのに、結局「血と肉にまみれて」自ら殺そうと決意する。ラストはかなり緊迫したいい映像だったので、これだったら初回のあの冒頭のシーンは、かえっていらなかったかもなあとか思ったりして。

一方雪穂は、義母を失い、亮司にも置いてけぼりにされ、本当に孤独になってしまう。篠塚は必死に彼女の心を開こうとしているけど、果たしてうまくいくのかな。この分だと、やっぱり雪穂の再婚ネタはやらないんですね。あの義理の娘への仕打ちは、個人的に一番鬼畜だと思ったので、良かったかも。うーん、最終回はどういう形で終わらせるんですかねえ。あ、はるかちゃんの喪服は、なかなか色っぽかったです。そしてカッシーはますます痩せて、頬が痩けてたような…。大丈夫かしら。

今回一番印象的だったのは、笹垣と谷口さん(余さん)のシーンかな。二人が言っている事、どちらの気持ちもわかるだけに、つらかったです。ドラマが始まった当初は、「犯罪を純愛というベールでくるんで美化しようとしてない?」ってななめ目線で見てたんだけど、今回の笹垣の、「あいつらに同情することは、何一つありません。」「人殺す知恵あるのに、自首する知恵がない筈がない。」というきっぱりとしたセリフに、ちょっと安心しました。テレビドラマだから色々配慮しなきゃいけないっていうのもあるんだろうけど、こういうメッセージはむしろ原作よりはっきり打ち出されている気がして、そういう制作側の姿勢は嬉しいなと思います。