「ジョゼと虎と魚たち」コメンタリーを聞け!

DVD買ったものの、なかなか見る時間がなかったんですが、やっと一回観賞。映画館ではウルッぐらいだったのが、やはり周りに人がいないと気兼ねがないのか、かなり泣けました。そして次は音声を、「コメンタリー」(犬童監督、妻夫木君、池脇さんが映画を見ながら語っている)にしてもう一回。これがすんごく面白くて、もちろん彼らの素のお喋りが聞けるってのもあるんですが、映画の裏話とか、三回見ても気づかなかった、俳優や監督のこだわりなんかもわかって、非常に良かったです。レンタルで借りる方も、時間があれば是非、一度通して見た後に、コメンタリー音声で見直してみてください。では、順を追って面白かった点など挙げてみたいと思います。一応チャプターインデックスの通りに。あ、当然ネタバレありなんで、未見の方は読まない方が吉かと。ま、見てないと全然意味わからないですけど。長くなっちゃったんで、追記に入れますね。

<参考>
一回目の感想→こちら
二回目の感想→こちら

01.真冬の旅行…いきなり「イエー!」とノリのいい妻夫木君。池脇さんとは仲良しらしいので、終始かなりいい雰囲気です。「ちーちゃーん!」と叫んでます。オープニングの、佐内さんの写真に合わせて恒夫のナレーションが流れる場面ですね。ここでジョゼの声が入ってる事に初めて気づく妻夫木君。池脇さんは二回シネクイントに行ったそうです。妻夫木君は試写のみ、とのこと。

02.タイトル…監督がくるりの音楽についてかなり語ってます。最初は「合わないんじゃないか」と周りに言われたけど、完成してみたら凄く良かったと。

03.ウワサの真相…雀荘のシーン。ここのシーンはドラゴンヘッドから帰ってきて、日本のご飯を食べ過ぎたので、顔が太ってるなあと妻夫木君。池脇さん「この後会った時は佐世保(「69」)行ってて、またげっそりしてたよね。」監督「実はこの後の朝食のシーンが一番むくんでんだよね。確か前日『きょうのできごと』の打ち上げで飲み過ぎて。」ほんとこの頃は映画が立て続けだったのねえ。マスターの愛犬ミミちゃんは、凄く臭かったそうです。おばあの新屋(しんや)さんの事を「あらやさん」と言ってしまう監督、二人につっこまれまくり。妻夫木君と池脇さんは、新屋さんに名前の刺繍入りタオルをもらったそうです。池脇さん、「この妻夫木君の格好って、『踊る大捜査線』の青島みたいじゃない?」と唐突な発言。妻夫木君、ジョゼの家に向かうシーンでは、ミミがうまく動いてくれなくて、乳母車で引きそうになったとか、途中で微妙に髪型が変わってるんだよねとか暴露。

04.朝メシ…監督曰く、妻夫木君の顔が一番むくんでるシーン。とにかく三人とも、「おなかすいた」の大合唱。妻夫木君の食べるシーンが上手いと、監督&池脇さん大絶賛。池脇さんはぬか床持ちだそうですよ。地方ロケにも持ってたんだって。おばあやジョゼのセリフをマネする妻夫木君。

05.気になる彼女…上野樹里ちゃん登場シーン。二人で喋ってる内容は全部アドリブ。池脇さん、「彼女、ピンクが似合うよね。」自分のベッドシーンを、「いくよ俺、いっちゃうよ。あーいった。いっちゃったよ…。」と解説する妻夫木君…。「スパゲティがモサモサして食べにくかった」そうな。最後ににやけて「乳か…。」というのはアドリブ。

06.あぶない散歩…再び雀荘のシーン。大倉さんのセリフと同時に、「何いうとんねん!」とかアフレコして受ける妻夫木君。お気に入りキャラらしい。ジョゼの家に行き、玄関からぐるっと回って裏の台所へ…。ここでロケからセットに切り替わり、なんと妻夫木君の髪の毛がいきなり短くなっている!びっくり。ジョゼの包丁の使い方が慣れている、と誉める妻夫木君。「ほんまもん」と「ランチの女王」だー、とか盛り上がってます。ジョゼが取り出したぬか漬け、私てっきりきゅうりだと思ってました。「なすなんだけど、わかりにくいよね!」確かに。

07.香苗…「樹里ちゃん今ドラマ一緒なんだけど、やっぱ変わったなあ。大人っぽくなった。」と妻夫木君。「ほんとかわいいよねー」と絶賛の池脇さん。ノリコのフェラ真似シーンは、男性スタッフの指導によるもの。そして恒夫&香苗のラブシーン。池脇さん、「こういうの、ドキドキしちゃう。」キスするとこでは「いやー、やめてー!」と絶叫。香苗に拒まれてガックリしたり、未練がましく手を握る恒夫、妻夫木君曰く「この辺、超・男のリアルって感じ。」だそうです。

08.名前なんて言うの?…弟の彼女がおっぱい丸出しで登場!のとこ。「俺これ見に行ったんだよ。ロケバスに『おっぱい見ちゃった!』って入ってったら、渡辺さん(脚本)が凄く深刻な話してたんで焦った。」ジョゼの「どあつかましい男やな!」で笑う三人。監督「この間は女優さんじゃなくて、芸人の間だね。」ジョゼと恒夫が料理する場面で、こたつでうたた寝する新屋さんは、本当に寝ていた?「あの唇はマンガに描いたいかりや長介みたい。」妻夫木君、言い過ぎだって…。ジョゼの本の山の中に、妻夫木君がスーパー読者してた「ストニュー」があって、スタッフにからかわれたそうです。

09.サガンの本…劇場でも一番笑いが起こっていた、荒川良々のシーン。妻夫木君ツボにはまってしまって、笑っちゃって大変だったそうな。良々は毎回アドリブで違うセリフだったとか。ジョゼの朗読シーンの収録では、妻夫木君にダメ出しされてやる気なくした!と池脇さん。

10.乳母車に乗って…変態のおっさんと子供達のシーン。子供達が盛り上がらず、何回も撮り直したとか。床屋の会話に皆大受け。乳母車は重くて、なかなか進まなくて大変だったらしい。転んで空を見上げるシーンでは、ジョゼを抱き起こして髪をかき分ける恒夫に、「妻夫木君いつもこうやって顔を見せてくれるんだよね。」と池脇さん。新井浩文君登場。池脇さんのコメントに、いちいち「むふふ…」とか勘ぐってしまう私であった。

11.ジョゼの過去…ホームセンターでの妻夫木君の衣装(黒いカーディガンに白いTシャツ)が「かわいい、一番似合ってる」と池脇さん。「未だに着てるよ、これ。」と妻夫木君。幸治の回想シーンで、子役の菅野莉央を三人でベタ誉め。

12.改築工事…近所のヤンママ役は、なんと居酒屋でスカウトした店員さんと、事務員さん。板尾登場、「画面の吸引力がある」と監督。池脇さんは、彼がタバコの灰を凄く神経質に落とすのが気になるとか。押入のスタンドを恒夫がパチパチいたずらするシーン、妻夫木君はパチパチのリズム感が恒夫っぽくなくて、納得いかなかったと熱弁。そんな細かいとこまで考えてるんですねえ。恒夫がジョゼの手を掴むシーンでは、池脇さん照れ照れ。その後香苗が現れて、三人とも口々に「ずんずん上がってくんだよねー」「(板尾が)かわいい子には優しい」「(ジョゼが)すごいかわいそう」と一視聴者になっております。

13.雨の日の別れ…この撮影はバレンタインデー。チョコもらったのは池脇さんからだけという妻夫木君(ほんと?)。顔から勢いよく突っ伏すジョゼに、妻夫木君「思い切りがいいねえ。」と誉める。「体張ってるの見ると、すぐキュンとなっちゃう」そうです。

14.忘れられない人…ミミの子犬達、うんこまみれでめちゃ臭かったそうです。「ダックスってほんとかわいいよな」という妻夫木君に、「そういや優香の愛犬もミニチュアダックス…」といらんことを思い出す。再び恒夫と香苗のラブシーン。自分で「この腕いいでしょ?」と自画自賛の妻夫木君。飲み会のシーンは、金井晴樹の芸は本人のアドリブみたいですね。ここが最初の撮影で、これを見て監督は、「妻夫木聡凄いな」と安心したそうです。板尾再登場、また灰の落とし方を気にする池脇さん。

15.再会…急に口数が少なくなる三人。「もうすぐラブシーンだ」と思うせい?ジョゼに「帰れ」と言われて帰ろうとする恒夫を「すっごい悪い顔!」と池脇さん。妻夫木君は「俺すげえ性格似てるかも、恒夫と。」キスシーンではしきりに照れる池脇さん、「これ自分じゃないみたい」と妻夫木君。池脇さんはしきりに「この(妻夫木君の)顔好き!」と言ってます。「この二人がするのって、日のあるうちって気がしてました。」とのこと。ジョゼが脱ぎ始めると、妻夫木君は沈黙。間が持てなくなった池脇さん、いきなり「整形手術しようかと思った…」おいおいおい。そしてついにベッドシーン。妻夫木君、また自分の腕がいい!と自画自賛。「何回チューしたんだよ…」「だよねー」って結構淡々と語ってますね。

16.恋人たちと虎…動物園にて。ジョゼの乳母車を指でイジイジする恒夫は、妻夫木君の役作り。ジョゼが金井晴樹に会うシーンは、「劇場でも『絶版』と同じくらい受けてたよね。」と三人ともお気に入り。

17.恒夫をめぐって…「椿三十郎の決闘みたい」と監督。香苗がジョゼをビンタするシーンですね。

18.一年後…恒夫と弟in楽器屋では、ギターを試し弾きしてる金髪兄ちゃんを見て、妻夫木君が「もっといい曲なかったのかよ…」と呟き、監督に「あれ彼のオリジナルみたいだよ。」と言われ、焦る。恒夫が全然兄貴っぽくないと反省する妻夫木君でした。そしてジョゼのシーン、池脇さんの「恒夫の服着てるんだよね。」で初めて気づいた!確かにあのチェックのシャツは…。あと良く見ると、最初の頃恒夫の部屋にあったものが、ちゃんとジョゼの家に運び込まれてるんだよね。野球の人形みたいなものとか。タバコのキャンペーンガールやってる香苗に再会するとこは、妻夫木君の上司役がスタッフの人らしく、三人ともしきりにウケてました。

19.残された思い…「ここのジュリジュリはいいぞ!」と妻夫木君。監督はしきりに「この時まだ17歳だったんだよねー」と言っていて、相当お気に入りなのが伺えます。池脇さんとも顔立ち似てるしね。ジョゼと同棲しながら、香苗にも「結構かわいいよ」なんて言って、むかつかずに成立する役者はなかなかいないよ、と監督。車を貸しに来た幸治に、「すっごいヤキモチ焼きさん…」とつぶやく池脇さん。ふふふ…。

20.初めての旅行…「ゆでたまご多すぎだよ!」とすかさずツッコミ。水族館あたりから、しきりに「ああ、もうこの辺からやだ!」と二人。弟クンに関して、妻夫木君は一言もコメントなしだったなあ。彼結構いい演技してたと思ったんだけどね。

21.海へ…「ハイウェイ」がいい歌だと盛り上がる三人。妻夫木君は未だに好きで、友達に「しつけぇ」と言われてるそうな。おんぶのシーンは、ジョゼがずり落ちるので大変だったらしい。サーファー役の二人は、またしてもスタッフ。

22.お魚の館…目隠しプレイが映倫に引っかかり、少し短くなった。あの部屋はセットではなく、実際のラブホで撮影したもの。大人のおもちゃの自販機があってさ、と盛り上がる妻夫木君。「この頃に比べるとほんと大人っぽく綺麗になったねえ。」と言われ、「妻夫木君とたまに会うと、そういう事言ってくれるから嬉しい!」と池脇さん。さすがモテ男。魚のCGいらない派がいてさあ、と遠慮なく語る妻夫木君に、監督むっとしてなかったかな。更に池脇さんが「魚はどうでもよかったけどね」と追い打ち。

23.最後の別れ…カーテンも全部なくなってる。「ひでーな、恒夫って。」香苗が待ってて、「ひどい!」と言う池脇さんに、「じゃねえと別れないんだって、男なんて弱いから。でも最後まで引きずるのも男。」と妻夫木君。恒夫が泣き崩れるとこでは、池脇さんが「香苗かわいそう、ひどい男。」と言うと、監督が「そうかな?自分の弱い部分を全部見せてくれるって良くない?」と。うん、それもわかるな。最後のジョゼの部屋は、電気のコード(垂れ下がってるやつ)の飾りも、ちゃんと変えてるそうですよ。ジョゼの顔が急に大人になってるのに、感嘆する妻夫木君でした。

24.エンドクレジット…試写の時、妻夫木・池脇・新井の三人は途中からトイレに行きたくて、終わった途端に席を立ったという話。妻夫木君の上司役をやった例のスタッフが、大泣きだったそうです。また「ハイウェイ」がいい歌だと妻夫木君熱弁、「ばらの花」もいいよね、と三人で盛り上がって終わり。