#33「友の死」(1)

ここのところ毎週言ってる気がするけど、どっからどうやってまとめたらいいのかわからない。なので、とりあえず大まかな感想を。細かいツッコミなどに関しては、次のエントリーで触れる事にします。

もちろん、泣きました。未だに悲しくて仕方ないし、頭の中が晴れません。でも、見終わってまず思ったのが、「山南さんは幸せ者だなあ。」っていう感想でした。葛山や新見や芹沢や、これから死んでいくたくさんの隊士達に比べたら、あんなにみんなに引き留められて、きちんと整えられた場で正式な作法に則り、可愛がっていた総司に介錯をしてもらい、こんなに恵まれた死を迎えた人って、新選組の中でもそうそういないんじゃないかって…。山南さん、やっぱりあなたは見栄っ張りですよ。明里とひっそり地味に暮らす事より、武士として華々しく散る事を選んだのでしょう?追って来た総司を見た時の表情、むしろほっとしていたようだった。切腹する事によって、居場所がなくなった新選組に、自分が主役として舞い戻る事ができると、喜んでいるようにも見えた。「私が腹を斬ることで、新選組の結束はより固まる。それが、総長である私の、最後の仕事です。」だなんて、こないだまで言ってた事と逆じゃないのー!ずるいよ、ずるいよ山南さん…。

でもそんな恵まれた最期になったのは、もちろん山南さんの人柄や業績があってこそ。そしてドラマとしても、堺さんの好演あってこそ、三谷さんがより素敵なキャラに仕立て上げ、これだけ丁寧に死を描いてくれたんだと思います。公式サイトの特集を見ても、堺山南がどれだけスタッフや共演者に愛されていたかがわかるもの。そしてもちろん視聴者にも。放送終了後から今日もずっと延々ネットサーフィンしてるけど、読んでも読んでも読み切れないほど、皆さん感想書いていて。しかもその98%は、「泣いた」「良かった」と絶賛しているんですよね。私が今回印象的だったのが、とにかく近藤さんがずっと目ウルウルしっぱなし!ってこと。テレビジョンだったかな?慎吾ちゃんのコラムで、「ずっと泣きそうだったけど、勇は最後まで涙は流しちゃいけないと思って、ぐっとこらえていた。」と言っていて、それは近藤さんだけじゃなく、他のキャストもほんとに本気なんですよ、「山南さん死んじゃイヤだ!」っていう演技が。多分撮影しているスタッフの人達も同じ思いだったんでしょう、その皆さんの気持ちが画面と通じてビンビン伝わってきて、これだけたくさんの人の心を動かしたんじゃないかなと思います。

脚本としてはちょっと展開が強引だったりとか、キャラの言動が辻褄合わなかったりとか、アラもあると思うんですけど(これは史実とフィクションを融合させる為に仕方ないですね、三谷さんの完全オリジナルだったらもっとうまく作ると思う)、そんなの気にならなくなるぐらい、45分に込められたパワーが凄かった。なので余計、今後が心配になっちゃったんですよね。誰か死ぬたびに同じ事するわけにいかないし、ネタは尽きちゃわないんだろうか?大丈夫かなって。もちろん三谷さんの事だから、期待に応えてくれるとは思ってますけどね。それでもこれからどんどん人が死ぬわけで、多分少しずつインパクトは弱まるんだろうから、そういう意味でも山南さん(堺さん)はラッキーだよなあとか思ってしまうのです。すいません不謹慎な感想で…。