「眠れる森」再放送・その2(ネタバレあり)

眠れる森 DVD-BOX

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サイト移転してから、あまり検索で引っかからなくなってしまったんですけど、それでもここ最近一番多いのが、「眠れる森」関連での検索。なので最終回を見終わって、もう一度感想などアップしてみようかなと。あ、関西では少し遅れて再放送が始まったみたいですね。今からでも遅くない、是非見ましょう!

やはりラスト二話は秀逸ですね。「真犯人」の回は、オープニングが「カムフラージュ」ではなく、いつものあの映像に合わせて、おどろおどろしい劇中歌が流れました。直季ってば美那子が姉だとわかったからって、急に由理に優しくなったりしてさ、結構現金な奴よね。で、父親にも「今度会わせたい人がいる」なんて言った途端、殺されちゃうわけですよ。本上まなみの演技はダメダメだったけど、最後に直季に電話して来たところは泣けたな。そうそう、マリア像と同じ手の形で死んでたんですよね…。

そして敬太が自殺するシーン。一度直季の手を取って、説得に折れたかのように見せて、いきなり飛び降りてしまうのは本当にショック。もちろんユースケとキムタクの熱演のせいもあるんですが、今改めて見るとね、必死で「死ぬな!」と説得する直季のセリフで、どうしても野沢さんの事を思い浮かべちゃって…。二重に泣けました。三人で写ってる写真を、敬太と由理がそれぞれ切り取ってるというのは、小説で読むより、映像で見るとよりグッと来るシーンでしょうね。

最終回は前回書いたように、一度見て「ええ〜っ?」って愕然として、全く見返したりしてないんですよ。ところが再放送で見てみたら、これがなかなかいい出来なんですね。確かに犯人は誰かという点においては、ちょっと面白みに欠けたかもしれないけど、とにかく仲村トオル中山美穂陣内孝則が良かった!正直最終回のキムタクは、完全に脇役だと思います。トオルちんは告白シーンでの壊れっぷりも良かったし、何より回想シーンが怖かった!稲光で顔が照らされると、目がウルウルしてるんだよね。あの子役、マジでトラウマになってないかな?あとミポリン(古)も、輝一郎に「もっと深く刺してくれ」って言われて、泣きながら傷を押さえるところ、意外な展開ながらも、「そうだよね、急に憎めったって、無理だよね。」ってもらい泣きしちゃった。クールな陣内さんも格好良かった。

エンディングでいつもの「カムフラージュ」の映像に、ドラマのシーンを重ね合わせてるのも憎かったですね。最後、美那子が目覚めても誰もいない。直季はハンモックにたどり着くんだけど、やはり美那子に会えない。直季が手に持ってる蘭が、最後の電車のシーンで持っているものと同じっていうのも、芸が細かい。私はやはり野沢さん脚本のドラマで最高傑作だと思うし、キャストもハマっていたと思うけど、何と言ってもこのタイトルバックに象徴されるように、演出が素晴らしかったと思います。あの森の美しさ、闇と光のコントラスト、回想シーンの不気味さ、そして印象的な音楽の数々。たった6年前のドラマなのに、今これを作るのって難しいんでしょうね。キムタクが二番手というキャスティング、地方ロケの多い撮影、残虐な殺人事件、ネットですぐネタバレが入手できてしまう時代のミステリー物、etc...。またこんな風に、毎週考えすぎて頭が痛くなるようなドラマが見たかった。野沢さん、本当に残念です。