「赤い疑惑」#2

先週は陣内さんの演技が…とか書きましたが、大分慣れてきました。というかほんとに宇津井健を忠実にコピーしてますね。今週は「自分が白血病だと知ってしまう幸子」というのが大きなテーマだと思うのですが、その為に「茂の力ずくの説得」が繰り返されました。まず千歳に行き、光夫さんを殴りながら説得。次に沖縄の断崖で、理恵を説得。更に妻の敏江を説得。そして最後に、両者涙と鼻水を垂らしながら、幸子を説得と。この「宇津井健の説得」というのは、実は大映ドラマにはなくてはならないもので、冷静に考えると「え?そうか?」というような事でも、彼に両肩をガシっと掴まれ、目を見開いて前髪をずらしながら説得されると、つい誰でも「はい、わかりました。」と言ってしまうのです。宇津井さんはこの「ワールド」に全く疑問を持たず、全身全霊その人物に成りきる事によって、有無を言わさぬ迫力が出ていたんですが、陣内さんは多分内心ツッコミつつやってたと思うんですよ。でも今週は、特に幸子との場面なんて、かなり本気で「大島茂」になってた気がして。

今まで何回も言ってますが、こういうツッコミ所満載のドラマっていうのは、役者が照れたり冷静に「面白く演じよう」とか狙ったらダメなんですよね。「本気のパッション」、これがあれば、見てる方も「ありえねえ〜!」とか言いつつ、うっかりジーンと来ちゃったりするんだな。その点藤原竜也君なんかもかなり入り込んでる感じでグー。先週「脚本に疑問持ってるんじゃないか」と書いたけど、公式のインタビュー読んだら、すっごい真面目に役を考えててびっくりしました。ま、普段舞台やってるから、多少現実離れしてても平気なのかな。なんか陣内さんに引っ張られるように、今週はスーちゃんや高橋さん、もちろんさとみちゃんも「本気演技」で良かったです。ただねー、惜しいのはあまりにも展開が早すぎる事。光夫を千歳から連れ戻す辺りなんかも駆け足すぎて、幸子が気力をなくしたり戻って来て元気になったりっていう心情の変化が、いまいち良く伝わらなかったし。もうちょっと時間かければ、もっと感情移入できるんだけどねえ。あと幸子と光夫が、あまり愛し合ってるように見えないかな…。これも時間不足ですかね。残念ながら私は泣くとこまでは行かなかったです。来週はもうちょっとゆったり目の展開にして欲しいな。

真面目な話はここまでにして、恒例のツッコミコーナーです。今週は先週よりちと細かめ。

・犬の抱き方がなっちゃいない石原さとみちゃん。
・光夫の母、「あの子の匂いがする!」ってすごい嗅覚ですね。今週はあめくさん出番少なかったなあ。
・幸子の血液型が両親と合わない事、父親と理恵の子供が生きてれば17歳になる事を知って、「17歳…17歳…17歳…」とリフレインする光夫さん。
・幸子が妹だと茂から聞き、「耐えられないから千歳に行きます」という光夫。つまり近くにいると、ついムラムラっと来てしまうので危険だという自己判断ですな?だからって北海道まで行かなくても…。つーか大学は?
・だーかーらー!なんで歌わせるの!しかもまたギターも超ヘタクソだし。
・光夫さんの写真、ブロマイドのようなアイドルスマイル。
・なんと脳腫瘍で目が見えなくなる幸子。しかし治療をするだけの気力がない!…ようには見えなかったんだけどな…。あまり変化なくて。
・牧場でいきなり殴り合う茂と光夫。なんか踊ってるみたいな格闘でした。そのまま草むらに倒れて、「あはははは…」とやるかと思ったらやらなかった。
・またしても「好きな女とやれないなんて、生殺しじゃないか!」(意訳)と、彼女の父親に向かって激昂する大胆な光夫さん。
・しかし逆に「幸子はもうすぐ死ぬんだから、つべこべ言わずに協力しろ!」(意訳)と、無理矢理説得する茂。
・いつの間にか全く目が見えなくなってる幸子。しかし照射してあっけなく回復。早っ!
・ちゃっかり医学部に戻ってる光夫さん。
・沖縄ロケ。飛行機の映像は古いけど、空港とかは今の建物じゃん…。
・あの黄色いコテージみたいなとこは、おばさまの自宅?やけにホテルっぽかったけど。
・ドイツ語のメモを無造作に捨てる茂。迂闊すぎ!
・やっぱり高橋恵子が陣内さんを「兄さん」と呼ぶのは違和感が…。だって茂は「定年まであと20年」なんでしょ?て事は40歳?理恵はまだ30代の設定じゃないの?
みうらじゅんが喜びそうな崖。理恵の思いも、ちと描写不足かな。高橋さん大熱演でしたけどね。
・光夫にハガキを書く幸子。こういうモノローグは70年代ぽくていいな。
・あれだけのの為に沖縄くんだりまで?相良教授。しかし理恵おばさまは、初めての男が教授で、その後はずっと独り身ですか…。
・沖縄ダンサーズを家に呼んで踊らせる、ゴージャスなおばさま。
・同じ病気の男の子登場。これって「セカチュー」と同じパターンですね。ちなみに30年前は、この役を坂上忍(私と同い年)がやったらしい。
・うわーゲイラカイト懐かしい!!
・まだ五歳のくせに、やけに理論立てて喋るしっかりもののアキラ君。
・で、あっけなく死亡。ここも早すぎるなあ…。給湯室のおばちゃん達、相手は入院患者なんだから、もっと気回せや!
・また「白血病、血液の癌ね。」というフレーズの繰り返し。
・石原さんはちょっと怒鳴りすぎかもなあ。声がかすれてるから耳障りだし。百恵ちゃんはもっと落ち着いて取り乱してた(どんなんじゃ)と思う。
・病気の娘をほっぽりだし、いきなりお遍路さんになるお母さん。
・幸子と茂、鼻水たらして大熱演の巻。つーかお父さん、光夫さんに「幸子を救えるのは君だけ」とか言ってたけど、結局自分が説得してるじゃん。
・いきなり「東都大学医学部目指す」とか言い出す幸子。学校もほとんど休んでたのに、元々頭が良かったんでしょうか。てか受かっても通えないなら、入学金が無駄に…。
・今週は秋から冬のシーンだったので、藤原君は友和と同じく、「とっくりセーター」(notハイネック)でしたね。顔が丸いから、いまいち似合わないような気もするけど。
・受験番号222って何か意味が?
・あり得ないと思うけど、予想通り合格。浮かれる両親&おばさまのミニコントあり。てか理恵おばさん、17年間姿を見せなかったのに、普通に遊びに来るようになってるのはなぜ。
・相良教授が幸子の出生の秘密に気づき始めた?せっかく白血病を乗り越えた幸子が、来週は更に大打撃、光夫と兄妹だという事実を知ってしまうのですね。
・「一体誰の子なんだ…誰の子なんだ…誰の子なんだ…」またもやリフレイン。さすが親子。
・次週最終回、雪の中でクライマックスです。これ、撮影してたの冬なんですかねえ。だから先週、藤原君の乳首が立ってたのかなあ…。